アオイトリ【赤井秀一】 (ページ4)

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｢お前今までどこで何してたんだ？｣

｢いろんな組織を転々と｣

｢お前の妹が探している｣

｢私を？見つからないわ｣

｢まさか海を渡ってるとは思わないだろうな。で、ここに入って何年だ？｣

｢今年で三年｣

シュウは深いため息をついて力なくソファーにもたれかかる。私はソファーの肘置きに座り脚を組んで髪を軽くいじって彼が喋るのを待っていた。
最後に会ったのは空港で、アメリカへ飛ぶシュウを見送りに行った時だ。
あの後私が就職するはずだった会社は今までの不運通り倒産してくれて、希望も糞もないなと他の仕事を死に物狂いで探していた時は祖父母やメアリーさん、秀吉、真澄や私の妹に心配をかけた。

それから暫くしてバーのスタッフとして雇ってもらえた矢先、祖父母が交通事故で死んでしまった。
あれもこれも私のせいだ、と感じ初めて早数年経って妹を親戚に頼み、私は前々から声がかかっていたある組織の一員になることにして海を渡った。
やんちゃをしていた時期ばかりで腕っ節に自信があり、組織内で案外早く地位を作り上げ、周りにも認められて数年、組織が壊滅した。

それからというもの私が入れば組織は数ヶ月、数年のうちに壊滅や解散をして、遂には壊し屋として有名になり、あの方から声がかかった。そして黒づくめの組織と呼ばれるここに入った。
その時交わした契約の一つに私が抜けると言ったら抜けさせてもらうというのを入れてもらい、今に至るわけだ。

｢母さんから聞いた。会社倒産したんだな｣

｢ええ｣

｢あの二人、亡くなったんだな｣

｢そうよ｣

｢……なあ｢ロゼ｣ロゼ、お前これからどうする気だ｣

｢どうする？そうね……｣

私は肘置きから立ち上がって二、三歩踏み出し背を向けたまま｢なるようになるわ｣と言って部屋を出た。後ろでソファーを叩く音が聞こえる。