3羽 ページ3
「で、新入りのライは?」
「アンタがロゼか」
「は?/え?」
ライ、そう呼ばれた男は古い友人赤井秀一のハズだ。私たち二人は暫くお互いの顔をじっと見つめ、ジンが声をかけるまで向き合ったままだった。
確かシュウはFBIになるとか言ってアメリカの大学へ行った。もうそれから7,8年ほど経っているので、切れ者の彼の事、とっくの昔にFBIに加入し潜入捜査でもしに来たんだろうと推測した私は取り敢えず適当に話を見繕う。
「なんだお前ら知り合いか?」
「昔いた組織で一緒にいたことがあったの。ねえライ」
「ああ。この女の自由奔放さにはよく振り回された」
「知り合いなら話が早いな。ライ、この組織のことをロゼから教わっておけ」
「ああ」
「それとロゼ、こいつが妙な事をしたら殺せ」
「わかってる」
そう言い終わるとジンはウォッカを連れて部屋を出ていった。足音が遠くなるまでじっと動かずそっぽを向いていた私の腕をシュウが強く掴んだ。
ゆっくり顔を向ければ案の定眉間には皺がくっきりと浮かびあがり、怒った顔をしていた。ポーカーフェイスと名高い彼がこんな表情豊か、というか感情を表に出すのは多分家族とか私、私の妹ぐらいだと思う。
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作者名:真城瑠雨 | 作成日時:2018年7月1日 21時