11羽 Side Bourbon ページ11
ロゼが起きた頃は日が傾き、部屋も橙色に包まれた頃だった。自分にかかっているジャケットを暫く眠そうな目で見つめ、誰もないことを確認してからジャケットを綺麗に畳んだ。
周りを見渡していたが残念なことに視角には僕がいる。それにすら気付かないなんて彼女にしては珍しかった。畳まれたジャケットを見つめてまた小さく言葉を紡いだ。やはり僕の位置では聞き取ることができなかった。
部屋を出ていこうとする彼女にバレてしまわないように身を隠し、息を潜めてじっと出ていくのを待ちながらソファーに目をやるとジャケットが置いてある。結局ロゼはジャケットを返しに行かず置いてった。
半日使ったが本の暴力のような数の中から目当てのものは見つからなかったが、それよりも面白いものを見れたのでまあよしだろう。と自分に言い聞かせ僕も遅れて部屋を出た。
「おいお前どこで油売ってたんだ?」
「書庫で寝てたわ」
「そこなら確かライが行ったんじゃなかったかい?」
「ふーん」
ライのやつサボったね!?とキャンティがいつものように怒るが、ジンはどこか意味ありげに不気味にニヤついている。腹の底で何を考えているのか気になるところだが、触らぬ神になんとやらだ放っておくことにしたほうがいい。
「バーボン、ロゼは?」
「ああロゼならジンとキャンティの所にいますよ」
「そうか」
「それとライ、朝着ていたジャケットはどうしたんですか?」
「ジャケット?あー……置いてきた」
「そうですか。僕は他に用事があるので」
ライは困ったように頬をかいた。
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作者名:真城瑠雨 | 作成日時:2018年7月1日 21時