2羽 ページ2
「随分乗り気じゃないのね。人が増えれば情報が漏洩する可能性が上がるからかしら?」
「わかってんならわざわざ言うな」
「あ、そうそうそのライに会う前にシャワー浴びてもいいでしょ」
「は?好きにしろ」
「どーも」
ジンがおもむろに煙草を出して火をつける。それと同時に私は窓を開けて煙を外に逃がす。道を踏み外していろんなことをしてきたが煙草には手を出さなかった。いや、出せなかったというのが正しい言い方なんだろう。忘れられないあの光景が今も瞼によく焼き付いている。私は忘れない、忘れられないのだ。
「おい、さみーから窓閉めろ」
「私が煙草嫌いなの知ってるでしょ。貴方が消したら?」
「はあ?これは俺の車だぞ」
「迎えを頼んだ覚えはないわ。ウォッカも煙たそうだし……受動喫煙の方がリスクあるの知ってるわよね?貴方私達を肺癌にして殺したいの?」
舌打ちをして渋々火を靴の裏で消して吸殻を窓から捨てた。こんな奴と行動するウォッカは気苦労が多いだろう。
着いたアジトはいつもと同じように静かだが、誰かの寝息がうっすら聞こえている。ソファーで誰かが横になって寝ていた。髪は長いが多分男で顔は左腕で覆っている。私はそれを見なかったかのようしてシャワールームへ急いだ。
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作者名:真城瑠雨 | 作成日時:2018年7月1日 21時