1羽 ページ1
「粛清完了他には?」
「ないな、すぐ戻ってこい。新入りの教育係だ」
「了解」
既に事切れている元仲間であろう男の瞼を閉じてその場を立ち去る。私の知らないその男は、やはり死にたくないと喚きここまで追い詰められた。
ジンに持たされたなんの型だかよくわからない銃を鼻先に当て、見開いた目は怯えたように逸らさず私を見ている。
何も言わずトリガーに指をかけて一思いに撃ち殺してあげた。相手は即死、多分痛みもないはずだ。
真っ赤に染まった手や顔が鉄臭く、乾き始めて不快感が増す。
建物から出てすぐに黒塗りの車が私の目の前に止まり,中にはジンとウォッカがいた。
「ご苦労さん」
「本当にそう思ってる?」
「おい、いいから早く出せ」
「へい兄貴」
「で、いついなくなるかわからない私に新入りの教育ってどういうこと?説明してくれるんでしょうね」
「あの方から直々の命令だ。背くのか?」
「……背いたら契約は破棄でしょ?それくらいわかってる」
ライというコードネームで、狙撃が得意な男というのを手短に話され頭の片隅に置いておく。「そういえば他にも新入りが後二人入るって聞いたんだけど?」と言えばそれはもう少し後になる、とあまり乗り気ではないように言った。
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作者名:真城瑠雨 | 作成日時:2018年7月1日 21時