Smoke and Mirrors 【Kazuma.K】 (ページ12)

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『……ごめんなさい、今なんて？』

壱「連絡先、交換しよって」

一瞬幻聴かと思って聞き返してみても同じ言葉が返ってきた。
…私たち今日会ったばっかりだったよね？あれ、昨日？
彼はあれだろうか、こうやって世の女の子を惑わしていくタイプなんだろうか。
カフェラテのカップを持ったまま中途半端な体勢でフリーズした私の思考を読むように彼は

壱「言うておくけど誰にでも聞いてるわけちゃうからな」

『……わー、高度テク』

壱「ちゃうて笑」

慎のこといろいろ教えて貰おと思て、と彼は続けた。どうやらお目当ては私ではなくまこちゃんらしい。

2年離れてはいたが、それでもさすが幼馴染というか、私は私でまこちゃんの感動エピから黒歴史まで幅広いネタが脳内にインプットされている。
……仕返しには何がいいかな。

『そういうことなら、ぜひ』

壱「お、ほんならこれ」

差し出された画面のコードを読み取ると、彼のアカウントが表示された。

『よろしくお願いします、…えっと』

壱「壱馬でええよ。よろしく、Aちゃん」

『じゃあ壱馬さんで』

その後も会話は解散するまで和やかに続き、私は仕返しとしてまこちゃんの恥ずかしいエピソードを彼に話せて、大変満足していたのだった。

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