愛する ページ27
「太ちゃん....は？」
太ちゃんの昂ったままのモノに気付かない程、自分は無知でも子どもでもなくて。
私の視線に太ちゃんが困ったように笑う。
「あんま、見んな。気持ち悪いだろ？」
「気持ち悪くなんかない！」
どうしてそんな悲しいことばかり言うの？
「トイレ、行ってもいい？」
そんな言葉ばかりいつも太ちゃんに吐かせてしまう自分が堪らなく嫌で堪らなくて。
「駄目っ！」
自分でも驚く程、大きな声が出た。
「だ、駄目、そんなの、やだよ」
私も、
私だって、
太ちゃんの為に、したい。
太ちゃんの喜ぶことが、したい。
その気持ちは紛れもなく本心だった。
私は覚悟を決めて太ちゃんの下肢に手を伸ばした。
「ばっ、Aっ、無理、すんなって....」
慌てて腰を引く太ちゃんに気づかないふりをして、その熱いモノを握りしめる。
掌の中でドクンと波打つモノ。
それは握りしめているだけでどんどん硬さを増していって。
心臓が早鐘のように波打つ。
「Aっ、ハァ....」
しばらくすると、私の手の上に太ちゃんの手が重なった。
「ゆっくり動かせる？」
「んっ」
２人ベッドに向かい合って横たわって、私は太ちゃんの手に導かれるまま、熱い昂りを上下に擦り出す。
太ちゃんが甘い吐息を洩らしながら、私にキスを繰り返す。
それはとても不思議な感覚だった。
感じている太ちゃんの吐息や表情を見るだけで、涙が込み上げてくる。
太ちゃんが感じるのが嬉しい。
気持ちよさそうにしてるのが嬉しい。
「Aっ、もう、出ちゃうっ」
中心が、ズクンと疼いた。
「ん、あっ、出....るっ！！」
瞬間、舌を強く吸われ、
太ちゃんのモノが大きく波打った。
∇
ティッシュで私の掌を拭いてくれる太ちゃん。
「やば....すげぇ汚しちゃった....風呂入った方がいいよね」
そう言ってベッドから降りようとする太ちゃんを私は慌てて引き止めた。
「太ちゃんっ、これで、これで終わりなの？」
「何だよ、まだ物足りないの？」
「そ、そうじゃなくてっ」
「一緒に風呂入る？」
「それは無理っ」
「ふはっ、何でだよ、今更」
太ちゃんが喉を震わせて笑う。
額にキスをされ、頭を撫でられ、「お湯溜めてくるわ」と部屋を出て行った太ちゃんを見送って、ふと視線を落とせば、自分と太ちゃんの体液で汚れたシーツが目に入り、顔が熱くなる。
『藤ヶ谷を信じて全部委ねればいいよ。絶対に怖くなんかないから』
宏....
私、幸せだよ─────
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作者名：ましろ
| 作成日時：2018年3月26日 20時
