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Addicted 8 ページ8

その日は今までどおりの業務を終えた。

ジャンクはまっすぐと自室に向かった。

自室へと入り、警帽と眼鏡を机に置こうとした際、目を疑った。

彼の目の前には作業棟にある溶鉱炉に投げ入れた筈のオニキスが何事もなかったように置いてあった。

まるで、自我があるかのように。

「ん?そんな筈ないだろ!?何故ここに処分した筈の石があるんだ!?」

オニキスはジャンクを皮肉るように光っていた。

その後もジャンクはオニキスを何度も何度も処分をしては戻って来るの繰り返しだった。

流石のジャンクもこれには耐えられず、事情を知るシモンズとルトガーに話した。

彼らは揃いも揃って口にした。「「まさに魔石ですね。」」と・・・。
その2週間後、再び満月を迎えた。

その日の夜もあの時と同じでジャンクに渇きの症状が現れた。
幸いながら、前回のように動けないというわけではなかった。

ジャンクはルトガーのいる医療棟へ向かった。医療棟にはシモンズも来ていた。

「あ、看守長お待ちしておりました。例のものが納品されていますよ。」

ルトガーはそう言って冷蔵庫からある物を取り出した。

ルトガーが持ってきたのは一本の金属製のボトルだった。
「ルトガー、これは何だ?」

シモンズはルトガーに質問した。

「これは、看守長に頼まれていた輸血用にと採血した血液さ。」

ボトルの中身が血液と聞いてシモンズは納得した。

差し出されたボトルをジャンクは受け取り、中身を飲み始めた。

「・・・っ!!」

思わず口を押えた。

飲みきれなかった血が床に滴った。

飲んだ瞬間、鉄の味が口の中に広がる。

無理もなかった。

元が人間として生活してきたため、血を飲むことには抵抗がある。

・・・気持ち悪い ・・・吐き出したい

しかし、飲まないと自分は消滅してしまう。

仕方がない。

あの魔石に魅入られてしまったからこんな体になってしまった。

血を欲する化け物になってしまった。

そんな事を思いながらジャンクは再び辛そうに飲みだした。

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KAGE(プロフ) - スッゴク面白かったです!!ハラハラしながら読ませていただきました!! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1ffb47dc38 (このIDを非表示/違反報告)
松師匠 - すごく面白かったです!!話が予想以上に作り込まれていて…本当に良かったです!! 評価10押しておきますね!! 素晴らしい作品をありがとうございます (2017年12月12日 1時) (レス) id: 1531b34ca2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cecilia | 作成日時:2016年8月28日 22時

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