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Addicted37 ページ37

「ハァ〜。あるにあ・・・こんな感じでどう?」


そう言ってタップはあるにあに加工したブラッドストーンを見せた。


「うん。良いと思うよ。ありがとうな。」


そう言ってあるにあは笑顔でタップを労った。


加工を終えたタップはあるにあに「そっちはどうだ?」と言って専用のかまどを覗いた。


「・・・もう良いんじゃない?これ以上溶かしたら、固まりにくくなるんじゃないか?」


その言葉を聞いてあるにあは、かまどから溶かした金属を取り出した。


溶けた金属はドロドロに溶けており、赤々と光っていた。


そして、かなりの高温で下手したら大火傷をしてしまうほどだった。


あるにあは、あらかじめラムザとアムムムムが密かに作った指輪の土台に溶けた金属を流し込んだ。


「気をつけろ。火傷するなよ?」タップは緊張感に溢れた顔をしながら作業を見守った。


型に流し終えた後、冷えるまでに少し時間と余裕があったのか話をしていた。


「なあ、看守はさ・・・人間とヴァンパイアのハーフだろ?銀って大丈夫だったけ?」


あるにあは疑問に思ったことをタップに聞いてみた。


「看守の持っていた文献だと、ヴァンパイアは銀が弱点らしいけど、看守・・・ダンピールは平気だったと思うよ?」


まぁ、俺もあまり知らないけど。


そう言いながら2人は話していた。


それから2時間くらい経った頃、ようやく指輪となる土台が出来上がり、タップが加工したブラッドストーンを嵌め込んだ。


出来上がった指輪は男性が着けても違和感のないシンプルなデザインだった。


あるにあは、完成した指輪を持って房に戻り、日の出まで残り少ないが眠りについた。



翌日、今回の騒動のせいで広場に行くことはできなかったが、彼らは本格的に脱獄に向けて動き出した。




それから数日後…


久しぶりの外での作業だったこの日、4人はローゼンベルク刑務所を脱獄した。


作業終了を知らせに来たジャンクだったが、もぬけの殻となっていた作業部屋の入り口でただ1人、立っていた。


「・・・本当にあいつららしい終わり方だな・・・。でも、またどこかで必ず会える。そんな気がする。

・・・これのお礼も言わないといけないからな。」


そう言ってジャンクはその場を見つめていた。


しかし、その表情はどこか柔らかな笑みを浮かべていた。


しばらくしてジャンクはその場を立ち去った。


その指には、彼らが徹夜で作成した指輪がぴったりと嵌っていた。



The End

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KAGE(プロフ) - スッゴク面白かったです!!ハラハラしながら読ませていただきました!! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1ffb47dc38 (このIDを非表示/違反報告)
松師匠 - すごく面白かったです!!話が予想以上に作り込まれていて…本当に良かったです!! 評価10押しておきますね!! 素晴らしい作品をありがとうございます (2017年12月12日 1時) (レス) id: 1531b34ca2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cecilia | 作成日時:2016年8月28日 22時

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