Addicted 32 ページ32
「看守長、大丈夫ですか？」
ルトガーはジャンクに声をかけ、念のために着けていた点滴を外した。
「心配かけたな。もう、大丈夫だ。」
そう言って、身なりを整えてからその場にあった椅子に座った。
「さっき、アムムムムが、俺は人間じゃないと言っただろ？
正解だ。
俺は、人間とヴァンパイア両方の血を持っている。つまり、俺はダンピールということになる。
・・・いい機会だからな。
こんな事になった経緯を話そう。」
そう言ってジャンクはしゃべり始めた。
「半年前、まだアマティアスにいた時の話だ。後の勤務地となるローゼンベルク刑務所に異動だと上からの命令があった。当時、俺自身がまだ人間として生活していた時で、ちょうどお前らに脱獄されて間もない時だったからな。
当時、俺自身は精神的にかなり参っていた。
看守と囚人という関係であるのにも関わらず、妙に親しげに話してくるお前らの事を友人だと思い始めていた矢先の事だったからな。
友人だと思っていたのに、お前らは俺を残して勝手に脱獄した。
その時の俺は、裏切られたと思った。
“友人だと思っていたのは俺だけだったのか？”“あいつらは俺のことなど何も思ってなかったのか？”とかな。
そんな風に思っていた。
いつしか、俺の心の中は悲しみや絶望から怒りに変わっていった。
そして、ローゼンベルクに来た時、オニキス石を拾った。
当初はただの石だと思っていたからな。持ち主が現れるまで、預かるつもりだった。
だが、この時の行動が・・・後ほど大惨事になるとは俺自身予想もしていなかった。」
話を聞いていたあるにあ達は、何とも言えない罪悪感のあるような顔をしていた。
ジャンクは、そんな彼らを見て一言
「この話をしたからっと言って勘違いされると困るから言うが、俺はもう、前回の事は何とも思っていない。」と、そう言った。
「あのさ、看守はいつから自分がダンピールだって分かったんだ？」
あるにあはジャンクに聞いた。
「ああ、実はルトガーとシモンズが俺の為に資料を探してくれていたんだ。
その中の文献の中でな、オニキスの事や、このブラッドストーンの事も書いてあった。
そして、何より・・・文献には亡くなった父の名も書かれていたんだ・・・。」
そう言ってジャンクは持たされていたブラッドストーンを握りしめていた。
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KAGE(プロフ) - スッゴク面白かったです！！ハラハラしながら読ませていただきました！！ (2018年3月10日 20時) (
レス) id: 1ffb47dc38 (このIDを非表示/違反報告)
松師匠 - すごく面白かったです！！話が予想以上に作り込まれていて…本当に良かったです！！ 評価10押しておきますね！！ 素晴らしい作品をありがとうございます (2017年12月12日 1時) (レス) id: 1531b34ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cecilia | 作成日時：2016年8月28日 22時
