Addicted 19 ページ19
2週間に一度だったのが今では3日に一度・・・。解決方法はシモンズとルトガーが必死になって探してくれてはいるが・・・。このままだと、完全にヴァンパイア化するのも時間の問題か・・・。
ジャンクは座り込み、顔を手で覆った。
指の間から、涙を流していたが、その色は普通の涙ではなく、血の色をしていた。
「・・・ごめん。こんな・・・事に巻き込んで・・・」
ジャンクが去ったあと、広場ではあるにあとタップが噴水の脇に腰かけていた。
「あるにあ、大丈夫?」
先程、あるにあとタップはジャンクの事で彼に恐怖を抱いており、あるにあは下を向いて震えていた。
「・・・大丈夫。落ち着いたよ。」
ようやく、顔を上げて笑みを浮かべた。
その表情を見てタップは安堵した。
「じゃあ、話は変わるんだけどさ・・・昨日、あるにあが拾った石がブラッドストーンだって事、話したよね?」
「うん。確か、そう言っていたよな。ブラッドストーンって、どんな石なんだ?俺は石とかあまり知らないんだが…」
そう言いながら、あるにあはポケットに入っていたブラッドストーンを取り出した。
「まず、この石なんだけど・・・前に調べたことがあって、その時のメモがあるんだ・・・。」
そう言ってタップはメモを取り出し、あるにあに見せた。
メモには『昔はキリスト教会の聖像などを飾る材料として広く用いられていた。現代では装飾品、特に指輪などに使用されることが多くなっている。また、諸説はいくつかあるが、代表的なものとしてイエス・キリストが十字架に磔にされた時、その傷口から流れた血が緑の大地に滴り落ち、鉱石に変わったとされる。 石の表面の赤い斑点がイエスの血を連想させることが、名前の由来となっている。』 と書かれていた。
メモを読んだあるにあは
「まじか。俺、宗教にはあまり詳しくないけど、キリストの血が変化してできたって事は、この石、看守に使えるんじゃねぇの?」
あるにあは希望に満ち溢れた表情をしていた。
そんなあるにあの表情を見て
「うん。キリスト教とか俺もあまり分からないんだけど、その石を見た時に思い出したんだ。看守を元に戻すんだったら、これを使ったら戻るんじゃないかって・・・。」
タップも笑みを浮かべていた。
――希望が見えてきた。後は、看守にどうやって渡すか・・・。
8人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KAGE(プロフ) - スッゴク面白かったです!!ハラハラしながら読ませていただきました!! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1ffb47dc38 (このIDを非表示/違反報告)
松師匠 - すごく面白かったです!!話が予想以上に作り込まれていて…本当に良かったです!! 評価10押しておきますね!! 素晴らしい作品をありがとうございます (2017年12月12日 1時) (レス) id: 1531b34ca2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:cecilia | 作成日時:2016年8月28日 22時