２２枚 side.大倉 ページ23
あれから自分の羽根をみたら真っ黒に染まっていた。
そりゃそうだよな。
私利私欲の為に人を殺してしまったんや。
頑張ればいくらでも天界に戻れる。
でも、そんな気が起きなくて
ただヤスの最後に残した羽根を握った。
黒やのにキラキラと輝くその羽根は
太陽に翳すとヤスの笑顔が見える気がした。
羽根を握りしめ下を向く。
「大丈夫ですか？」
顔をあげるとあの女がいて
にっこりと笑った。
「私も似たような羽根持ってるんですよ？」
女は勝手に俺の横に座って
勝手に色々しゃべった。
こいつを殺したせいで天界に帰れへんのに
こいつに対しての怒りなんかなくて
地上界に来たときには確かにあった憎しみも消えてて
何故だか心地良くて
「あっ！！すみません！！」
突然あやまったからなんやと思ったら
「良かったら使ってください！」
目の前に差し出されるハンカチをみて
自分が涙を流していることに気付いた。
「大丈夫ですか？あっ…私、泣くほどうざかったですか？！ごめんなさい！」
そう立ち上がろうとする女の手を掴んだ。
「えっ？あの…」
「名前…名前はなんて言うの？」
顔を見ずにそう聞くと
クスクスと笑い声が聞こえて女の顔をみた。
「Aです。卯月Aです。」
あぁ…ヤス。
今ならヤスの気持ちわかる。
キラキラと輝く笑顔の彼女に俺は決意を固めた。
「Aちゃん…最近なんか大切なものなくしてへんか？」
するとビックリした顔で俺をみた。
「実は…なんだかわからないんですけど、胸の中にぽっかりと穴が開いた感じなんです。なんだかわからないですけど…足りないというか…
忘れちゃいけないなにかを忘れてしまっている気がするんですよね(笑)」
彼女は淋しそうに笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カリン(プロフ) - レモンさん» いっぱい読んでもらえて嬉しいです！ありがとうございます！ (2014年7月13日 15時) (
レス) id: 5e3d7e6633 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - カリンさんの小説、制覇しようとしてますｗｗ片っぱしから読んでますｗこれからも期待してまーす (2014年7月13日 15時) (レス) id: e43ff94454 (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - §亮やん§さん» ありがとうございます！！妄想１００パーセントのやりたい放題の小説をそう言ってもらえて嬉しいです！ (2014年6月20日 0時) (レス) id: c04c1c6d9e (このIDを非表示/違反報告)
§亮やん§ - すごいおもしろかったです！！ これからも頑張ってください！！ (2014年6月20日 0時) (レス) id: 3c6e3c5faa (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - ぎみっくさん» ありがとうございます！私の中の章ちゃんがこんな感じでして(笑)これかも頑張ります！ぎみっくさんの小説も毎日沢山更新されててかなり覗きに行ってます！！今度そちらにこっそりコメントさせていただきます！ (2014年6月18日 22時) (レス) id: c04c1c6d9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カリン
| 作成日時：2014年6月18日 13時
