トリップ先が思ってたのと違った話【原神】

10話 ページ12

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あれから空くん、ペェモンと港で分かれ、現在私が向かっているのはモンド城内。



私は一応神の目と言う物を持っており綾華ちゃんや空くんの様に元素の力を使うことが出来るのだが、お世辞にも強いとは言えないため暗い夜の中魔物に襲われでもしたらひとたまりのない。



...本当に背後から来られたらもう




「こんばんは。今夜は月が映える夜だと思わない？」


『くぁwせdrftgyふじこFふじお！？』



「あっはは！そんなに驚かなくたっていいじゃん！」




私の後ろでめちゃくちゃ笑っているは風神、じゃなくて吟遊詩人の...えーっ...



『...？』


「あれ、もしかしてボクのこと覚えてない？」


必死に思い出そうとするもディルックさんの店で飲んだくれてた印象しかなく酒カスとしか思い出せなかった。



さすがに本人の前で酒カスとも言うわけにもいかないし(失礼すぎる)










どうしよこの状況



「...じゃあ改めて、ボクは吟遊詩人のウェンティ。これでも結構長く一緒にいたつもりだったんだけど」


『あっ！......？』



やっと思い出せた...けど






私ウェンティとそんなに長く一緒に居たっけ？




何も言わない私に焦れったさを感じたのかウェンティは私との距離をずいっと詰め、私の顔をのぞき込んだ。






そして







「えぇ〜またボクのこと思い出してくれないの？」



『ｯ...』

心外だなぁ、笑いながら目を細める彼だったが、その目は一切笑っていなかった。





それにウェンティの周りを不思議と吹いている風が酷く冷たくてとても心地が悪かったためか彼を、ウェンティをこれ以上怒らせてはいけないと言っているような気がした。








「ねぇ、そんなに怯えないでよ。ボクは別に悪いことは何もしてないんだから...それとも、ボクが怖いの？」








私の髪を細く、しなやかな指でサラサラとときながらハイライトのない目で見つめられる事に恐怖極まりなかった。







それがあまりにも怖くて目をぎゅっと瞑っていると





「...はぁ。ボク傷ついた〜！」


今までの声色とは違い、ウェンティのいつもの明るい声と共に全身に重みを感じた。









恐る恐る目を開けると、そこには私に抱き着いた状態で幸せそうに寝ているウェンティの姿があったのだった。









『(...もしかして今のウェンティって酔ってたの？)』

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