Prolog:学園の異質者 ページ6
「メイクトュルー寮」
いつものようにフィルムが新入生を寮分けしていく。
ここはインスティテュートユニバーシティ。名門中の名門であり、NRCやRSA同様、選ばれた者にしか入学が出来ない。
もちろん騒ぎを起こすような奴はいない。
だけど俺にとってこの時間は痛みとの勝負。新入生の中には想い、願いを持っている奴らが多いからその分背中がヒリヒリする。
それに俺が俳優だってことを知ってるからか視線も痛い。
深いため息をついた。
「……あれ、ヴェシリアせんせー。アスリーは?」
「さぁな。大方、まだ来てねぇ新入生迎えに行ったんだろ。アイツ入学式実行委員だから」
欠伸をとめて上にいた学園長がこっちに降りてきた。
こうしてみると相変わらずちっちぇー……言ったら殴られるから言わねーけど。
長ったらしい式が終盤に差しかかるとようやくアスリーが戻ってきた。隣には知らない新入生がいる。
…………コイツ、最ッ悪。段違いに背中が痛い。思わず顔を顰めていればフィルムはあの新入生をここの世界の者ではないと言った。
「はぁ!?ちょっと、学園長!貴方人選を間違えたの!?しかも別世界の者って!!」
「…そんなの知りませんよ。とりあえず、他の新入生を寮に案内してください。そのあとに緊急寮長会議です。勿論、アーシェングロットさんと貴女を含めて」
「それもそうね。話は聞いたわね?さぁ、さっさと動きなさい!寮長ども!」
「アスリーの寮長の扱いが雑〜」
腕を頭の後ろで組んで学園長、アスリーの言う通りに新入生を案内していく。
オールドリーム寮につき、エントランスに全員入ったのを見てから、寮について話し始めた。
「ここはオールドリーム寮。俺が寮長で、こっちが副寮長ね。
オールドリームは基本的に自由。校則さえ守っていればなんでもいい。ただ、俺も含めて今の寮生は運動神経だけは他の寮より特別…じゃないけど普通に良い奴らが多いから、そこんとこはよろしく
じゃ、俺寮長会議あっから」
「え、あ、寮長!?」
緊急寮長会議だなんて、あの学園長、寮長のことマジでただのガキだと思ってんな。これから仕事もびーっくりするくらいあるってのに。
少し急ぎ足で向かっていると前にスターティング寮寮長、グラッドを見つけた。
あ、ちょっと怒ってる。どんまい。
「まーまー気にすんなって。俺だって今めちゃめちゃ背中痛いんだぜ?」
「お前と一緒にするな」
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ルナ - おぉ!シスフェニ−くん目線の作品だと… 面白いです! 更新がんばって下さい! (2020年9月14日 15時) (レス) id: 46e94f5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - はい! (2020年9月13日 21時) (レス) id: 46e94f5c38 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - ルナさん» ではそちらでお願いします! (2020年9月13日 21時) (レス) id: ba59e9921b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 大丈夫ですよー! (2020年9月13日 21時) (レス) id: 46e94f5c38 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます!うちの双子はカイくんとシスフェニーくんがお気に入りで小さい頃から構いに行ってて、エミリーはお姉さんなのでハラハラしながらも見守ってたって感じで大丈夫ですか? (2020年9月13日 21時) (レス) id: ba59e9921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナト | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel
作成日時:2020年9月2日 20時