十話 ページ12
A視点
俺の意識が急に浮上した。
僅かに身動ぎしてからゆっくりと眼を開ける。
すると目の前にドアップで赤髪の正統派イケメンが現れたので俺の意識が一気に覚醒したしまたもや最悪の目覚めになった。
確か、こいつは大包平だったか。鶯丸と仲が良い刀だったよな。
鶯丸に観察日記付けられてたっけ。あとなんか声がデカくて単純で天下五剣を凄い敵視してる。
俺は大包平に声を掛けようと口を開くが、其れよりも早く先に大包平が口を開いた。
「鶯丸!俺の名が云えるか?痛みは無いか?」
そう云えば身体に痛みが無い。
大包平が結構心配そうに言っているので揶揄いたくなる気持ちを抑え、俺は鶯丸の口調を真似て返事をする。
『…………おおかねひら、だろう…………?
そう云えば、痛みは、無いなぁ…………』
「無事そうだな…………ふん!時間遡行軍如きにやられるとは情けない!」
『大包平、煩いぞ…………
…………だがまぁ、名剣中の名剣たる大包平には、単騎で時間遡行軍に戦うのも容易いのかもしれないな』
「無論だ!」
ああ、なんか大包平と鶯丸って感じがする。我ながら見事な演技だ。
ていうか大包平って子供っぽいから、なんというかこう、父性?今は母性か?が擽られる。
声がデカくてイケメンなのが玉に瑕だが、癒されるな。
そんな風に俺がほっこりしていると、襖が開く。
「今、お声が聞こえたのですが、鶯丸様が目を覚まされたのですか!?ご無事ですか鶯丸!」
『ああ、平野か…………心配を掛けたな。もう大丈夫だ』
「いえ、そんな事は有りません!それよりもお茶を入れて来ましょうか?」
『いや、大丈夫だ。それよりも此処は何処だ?あの本丸か?』
「ああ。お前が倒れた後、主が手入れをした。
…………いくつかの傷が治らなかったがな」
そう云って俺の頬を見る。
俺が軽く手で痣のあった部分に触れると、ガーゼが貼って有った。
他の怪我がある場所をいくつか確認してみたが、どれも丁寧に手当てされていた。
わーお。やっぱり元からある傷は治らない仕組みなのかな?
手入れって大けが治せるくせにわけわからんな。
元からあった傷も治せないのか?もう治らないのか?
そんな事を考えていると、心を読んだかのように大包平が教えてくれた。
「まぁ、その傷も治らない時間はかかるが訳では無いらしい。」
『ああ、そうなのか』
よかったよかった。
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リオン♛ - 四十話の仕組み凄いですね❗ (2022年7月28日 9時) (レス) @page43 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
梨の子(プロフ) - 今更ですけど青くして調べるって押したら出てきましたよ!! (2021年7月23日 10時) (レス) id: 52f349caa9 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 彼岸花さん» あれ?なんででしょう……? (2018年10月24日 16時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 四十話の文字を選択で青くしても見れませんでした… (2018年10月24日 3時) (レス) id: da7e05a086 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 阿国さん» いえいえ、こちらこそこの作品をご愛読下さり有難う御座います! (2018年10月11日 19時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月15日 19時