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五十四話 ページ12

A視点



そして乱さんの気は収まらないようで、まだまだ続くこの大会。



「鶯丸さんの色香は留まるところを知らないね!じゃあ、次は粟田口から選ぼうっと…………

えーと、じゃあ平野!頑張ってー!」


「精一杯頑張ります!」


『平野…………』



何故だろう、見た目が小さいだけでこうも印象が違うのは。

デカくてむさくるしい男に抱え上げられるよりもこっちの方がまだいいな。心配なのは力とかの面だが。



俺は何処か微笑ましく、そして持ち上げられないだろうという思いを持ちながら待っていると。



ひょい、と軽々しく持ち上げられて一瞬呆然とする。

俺は平野の顔を見ると、平野はその視線に気づいて誇らしげしてみる。



「鶯丸様。僕は鶯丸様の為に頑張ります!」


『……ああ、お前の様な奴がそう云ってくれると嬉しい。』


「はい!」



元気のいい返事と共に、照れくさそうに笑う平野は俺をすぐに下ろしてくれた。

おおう。純粋過ぎてヤバイ。なんか俺は悪くないのに悪い事をしてる気分になるな………



そう思っていると、乱がまた話し始める。



「なんか純粋だね………でもボク、こういうのも嫌いじゃないよ!寧ろ好き!

じゃ次は薬研!短刀詐欺と名高いから、平野とは真逆のを期待してるよ!」



乱さんの守備範囲外ってあるの?とか思いながら俺はひょいと薬研に抱き上げられる。

驚く程違和感のない自然な動作だった。やっぱりコイツ短刀詐欺だろ………



それから、囁く様に言われる。



「俺っちだって、こんな見てくれだが男なんだぜ?なのに意識しない、そんな生殺しは無いだろ?」



俺はしょうがないから反論する。

右手の指を薬研の、左手の指を俺の唇に当てて云う。



『こんな事をするのに、意識していないと思うか?』


「………本当に、アンタにゃ敵わねぇぜ」



薬研は俺を下ろし、掌で目を覆い天を仰いで云った。

心なしか耳が赤い。多分、酔っているのだろう。さっき酒飲んでたし。



遠くで乱が興奮した様に語りだすのを聞き流しながら、俺はそんな事を思った。








____________

沢山のリクエスト、有難う御座いました!思ったより随分沢山頂けて嬉しいです!

全て消化するつもりですが、コメントにて書いて頂いた様な、思っていた様な、望んだ状況にはならないかもしれません。ご了承下さい。

また、全員は書き切れないかもしれません。そこもご了承下さい。

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akithin.(プロフ) - 終わりとなっているのですが、もう更新はされないのでしょうか? (2020年7月26日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 神隠しに定評のある惨状(三条)に吹いたww (2020年6月3日 20時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - うぉぉぉぉ!豆腐教信者さんの神話をまた一つ見つけてしまった。終わりとは気の所為ですよね?事情があると思いますが時間があったら更新をお願いします! (2019年12月27日 21時) (レス) id: 1c5d8ffce1 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 面白かったです!終わりとなっているのは気のせいですよね…?更新されるのを楽しみに待っています! (2019年9月20日 2時) (レス) id: 85cc202172 (このIDを非表示/違反報告)
零余子うぇーい - 文才に惚れました!! (2019年7月21日 22時) (レス) id: 158da6451a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年10月4日 18時

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