陸話 ページ8
A視点
なんやかんやで次の日になった。
いやぁ、月見てたら夜明けたわ…………本当に眠くならなかったな私。
ぼんやりと秋の空を眺めながら、私は独り歌を唄う。
「さくら さくら
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににおう
さくらさくら 花ざかり」
あれ、と首を傾げる。
この歌、私は知らない筈なのに。
桜関連だと云う事で新たな知識が私に与えられたのだろうか。それなら、なんというか凄いな。
他にも何か新たな知識を与えられているのだろうかと眼を閉じて考える。
…………色々と脳の引き出しを開けまくった結果、童謡や桜の知識、和歌などがメインに私の知らない筈の知識が多くあった。
だがこの桜の記憶が無い。深く考えて見ればちらっと記憶の断片が見える位だ。
能力に関しては結構な記憶の量があったのに。因みに、この前試したこと以外にも色々出来る事が発覚した。
というか、私に他人の記憶があると云う異常事態にももう驚きすぎて溜息しか出ない。
私はひらりひらりと舞い落ちて来る花弁に、ちょっと大人ぶりたい心が湧いて、記憶の中に在った和歌を一つ詠んでみる。
『散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき』
桜は惜しまれて散るからこそ美しい、この世に永遠なる物は何も無いのだから。的な歌だった筈だ。
…………うん、狂い咲きの桜とは全く真逆だし詠む歌間違えたなこれ。
はぁ、と溜息を着くと、後ろから声がかかる。
「散るのを拒んでおるのに、真逆の歌を詠むとはなぁ。一体何を望んでいるのだ?桜の。」
『…………貴方、女の秘密を盗み聞ぎなんてあんまりじゃないの?
顔が良ければすべてが許される訳では無いのよ、月の。』
「あなや。云われてしまったな」
そういってほけほけと笑う声が聞こえる。
このマイペースさ、間違いない。
確信と共に声のする方へ向くと、深い蒼色の髪をした美青年が口元を袖で隠しながら立っていた。
そう、三日月である。
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豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - あすひさん» 大掃除ってこんなに大変だったっけエあ婚掃除して換気扇掃除して………長谷部の機動欲しいのわかります。最近はもう寝てばっかで………頑張って糧を生み出しますww (2018年12月2日 14時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 年末って仕事納めとかしわ寄せきたりとかでだるい…長谷部の機動がほしいです、最近は炒飯食べてモ○ハンすることが多いですね、体に気を付けて私の糧を生み出してくださいね (2018年12月2日 14時) (レス) id: 20a4091f37 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - あすひさん» あーそっちですか!金欠確定は間違いないですねww blは通信販売で買う方のヲタクなんです……とらのあなさんマジでいつもお世話になってます。 (2018年11月25日 17時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - blはいいぞ (2018年11月25日 16時) (レス) id: 30ce010d8c (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - アニメイトの近くに会社はあるけど家からじゃ遠いですかね…でも家の近くにできたら金欠確定になりそう(笑)、 仕事が早く終わったり、良いことあったときとかによりますね、同僚に見つかってないはず…?(多分デスクでバレているとは思っています) (2018年11月25日 16時) (レス) id: 30ce010d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月30日 22時