【刀剣乱舞】死んだら桜の神様に成ってしまったんですが。

忘れかけてた番外編〜桜の神様の中身がもうちょっと闇の深い子だったら〜 ページ45

A視点



全く運の無い人生だった。



親に虐められ、学校でも虐められ、謂れの無い罪を着せられ、地獄と言う言葉すら生温い人生だった。

それなのに、其れまでの不幸は多大なる幸福で清算されず、最後はトラックで轢かれてあっけなく死んだ。

まだ二十歳にすらなっていないのに。冗談の様にあっさりと、私は死んでしまった。



ああ、ああ、まるで良くある悲劇だ。



誰にも愛されず、誰にも救われず、縋る事も許されず、罪の無い咎を背負い、他人に不幸を押し付けられ、搾り取られ、最後はトラックに轢かれて、まるで命運を定める神が私を嫌っているように＿＿＿＿＿＿＿



＿＿＿＿＿＿このままでは、死んでも死にきれない。



ふと、死の間際に、走馬灯を観ながら。

それはもはや思考なんかでは無く本能が訴えた。



そして、胸の中にずっと隠れて燻ぶっていたどす黒い感情が弾かれたように全身を駆け巡った。



そう。そうだ、私は未だ私を貶めた奴らに復讐をしたか？



答えは否。



救ってくれと叫んで泣いて手を伸ばしたとしても誰もみて見ぬふり。

だから、復讐なんて、そんな事できっこないと決めつけて、絶望と共に諦めて訴える事も縋る事も出来ず泣き寝入り。



このままで良いのか？



答えは否。



良い筈が無い。私を苦しめた奴らが、そのままのうのうと暮らす？私の様な奴をまた生み出して？

ふざけるな。許される筈が無い。許されて良い筈が無い。



私が、私が裁かなければ。



死して、例え悪鬼羅刹と成り果てても、アイツらを末代まで祟り、私を貶めた事を泣いて後悔させて、私が受けた仕打ちを倍にして、恐ろしい絶望と後悔をアイツらに与える。



例えそれが幾ら冥府で咎められる恐ろしい罪だとしても、地獄で永遠にこの身が焼かれても。



私は、復讐しなくてはならない。



悪魔に誓ってやる。

私は、私を貶めた奴らに死神すら慄く程の悍ましい復讐してやると。



そう誓ったのが最後、私の意識は暗転した。



次に目を覚ました時、私は血の様に紅い花を付ける桜の大樹の下に伏していた。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

多分五話ぐらい続く

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