【刀剣乱舞】死んだら桜の神様に成ってしまったんですが。

参拾肆話 ページ38

A視点



私はオッサン臭い短刀に微妙にショックを受けつつ(元々知ってはいたが、リアルで見るとまぁまぁショックだった)、まぁ確かに友達になる為にはもう少し頑張らないと駄目かな？と納得もする。

でも電話番号聞いてもなぁ…………電話持ってないだろうしなぁ…………



そう思っていると、今度は青江から話を振られる。有難い。



「…………君は元々何処で咲いていたんだい？ここは政府が用意した異空間の筈だから、元々此処に居たなんて考えられないからね。気になっていたんだ」



私は桜餅を一口食べて、美味しいわねと呟いた後に云う。



『あらあら。貴方もそうだけど、ここの大きい人達は随分と秘密の知りたがりが多いのね。

典型的な女の子に嫌われるタイプだわ。慎んだ方が良いと思うのだけれど』


「秘密にされると知りたくなるものだろう？」


『時には我慢も必要よ？…………でも、そうね、私の元々居た所…………』



青江も桜餅を食べ始め、私は其れを見つつ茶を啜る。

目を瞑り思い出そうと頑張るが、やっぱり断片的な物しか思い出せない。まぁそもそもその頃は私が桜に成り代わって無かったし当たり前っちゃ当たり前なのか？



私は目を薄く開いて、小首を傾げて、にっこりという効果音が付きそうな何時も通りの微笑みを顔に貼り付けて云う。



『忘れちゃったわ』


「…………まぁ、これ以上は聞かないよ」


『ふふ、嬉しいわ』



中々会話が円滑に進む様になってきたので、私はほっと胸を撫で下ろす。まだぎくしゃくした感じは拭えないけど。

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