【刀剣乱舞】死んだら桜の神様に成ってしまったんですが。

弐拾伍話 ページ28

A視点



鬱陶しい程に爛々と輝く太陽が私の本体(桜)ともう一つの本体(人型)を照らす。

如何云う訳か、季節は秋だった筈なのにすっかり夏に早変わりである。



光合成は十分に出来ているが、雨の供給量が足りていない。水をくれ水を。いや飲まず食わずでも生きて行けるけど気分的に欲しい。



それ等の事が有って、私は少々イラついていた。



笑顔は一応崩していないが、対面している相手に無言の圧力と云うか笑顔の圧力と云うか、そんな感じの物を目の前の御手杵と獅子王と鶴丸に掛ける。

そして言った。



『私が桜の木その物なのだから、この木に秘密基地を立てようとするならば私にせめて一言掛けて？』


「反省はしている。だがわくわくが抑えられなかった」


『それ、本当に反省してるの………？いや木の上の秘密基地的なアレに憧れるのは判るけど。

でもね？私にひと声かけるのが常識って物でしょう？礼儀って物でしょう？』



鶴丸がそう宣ったのに対して私が言い返すと、御手杵が口を開く。



「なぁ、その花どうやって一年中咲いてるんだ？」


『抱け。とびっきり重い石をその膝に抱け。そして正座しながら念仏唱えて反省なさい』


「うえぇぇ…………」


『うえぇぇ、じゃないわよ。泣きたいのはこっちの方よ。もうストレスで吐きそうなのよ。

起きたら、身体の……枝の上に意味不明な物体が出来かけててどれだけ混乱したか判ってるの？』



重い溜息をぐっと堪え、然し絶対に薄っぺらい貼り付けた笑みを崩さずに言う。



おうちかえりたい…………

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