転生して神。[新光神話パルテナの鏡] (ページ22)

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貫き通せ、臣下の忠義。ページ22

ボクの言葉に驚いたのか、キミは一瞬目を丸くした。

そしてボクを茶化すように、「そんな大層な…」と、柔らかく否定して、言葉を続ける。

「…まぁ、大将との絆が深いことは言うまでも無いが。」

主…メデューサを思うだけでも頬が緩むのか、柔らかい笑みを浮かべている。

ふっと、薄く笑みを浮かべながらどこか遠いところを見るような目をした。

「私は、信じている。大将が平和的解決に移してくれることを。」

きっと、きっと。

やってくれる。と。

ピ「…すごいね。キミはボクを倒すためにここにきたってのに…まだ信じているの。」

その一途な思いが少し、羨ましい。

どうして羨ましいと思ったのかはわからない、けれど、

…すこしだけ、うらやましかった。

どうしてか、ボクはとっさに彼女にとってツラい言葉を投げかけてしまった。

キミはすっと黙り込み、うつむいた。

ぎこちない笑みが青白い顔に浮かぶ。

「…正直、駄目かもしれん。
だが、大丈夫だと信じたい。」

きっと、きっと。

大丈夫なはずだと。

そうやって薄い希望にすがりつく事がどれだけ不安なのか。

その中で敵に笑いかける事がどれだけ難しい事なのか。

…それを、わかっていなかった。

細長い指が首もとにぱさりと被せられ、つー…と下に滑る。

指は胸元の黒い布に引っかかり、止まった。

ぎゅっと、握られた手は微かに震えていた。

…目を見る事が出来なかった。

「…愚かだな。」

彼女の口もとが、いびつに、ぎこちない三日月を形作る。

一生懸命に、『何か』を抑えつけたような声音。

どんな目をしていたかはわからないが、この人にとても酷な事をしてしまった事だけが確かだった。

「所詮、命乞いをしているようにしか見えんだろう。」

ちがう。

ピ「そんなことない！」

だって、だって。

ピ「キミは…キミは…！」

彼女は、必死に。

ピ「…ただ、メデューサを信じ抜いていただけなんだろうから。」

…自分の主を信じ抜いていただけだったんだ。

・・・・・・・・

ピ「…ただ、メデューサを信じ抜いてただけなんだろうから。」

…ピット君…。

良かった…。

メデューサがショタコンになったのかとか言われなくて良かった…。←

(加速する勘違い)