幼馴染だからって油断したらダメだよ？【時透無一郎】

１９　看病２ ページ23

〜時透無一郎side〜

スゥスゥと規則正しい寝息を立てるAを見て、少し安心する。すごい熱だったから心配したけど、とりあえずは大丈夫そうだ。
かばんからケータイを出し、Aのお母さんに連絡を入れる。
返答を要約すると、「医者を呼ぶから対応をお願いします。私達が帰ってくるまで看病をお願いね。それまで家でくつろいでいて良いよ〜。」とのことだ。


眠ってはいるものの、辛そうなA。彼女の色白い頬は熱により赤く染まってしまった。
小さい頃は良く体調を崩していた彼女をこうして看病したなぁ、、、。その頃から幼いなりに僕は君のことが好きだった、、、。でも幼馴染みであっても、やはり距離が開いてしまって、、、。一緒に遊ぶことも無くなって、お互いの好みが分からなくなった。会ったときに会釈する程度。そんな僕達がまたよく話すようになったのは、彼女が誘拐された時からだった。





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友１「なあ、無一郎。戸枝が行方不明になったらしいが、何か知っていることはないか？」

無「えっ!？Aが!？僕、何も知らないんだけど。とりあえず母さんに訊いてみるよ。」


そこから始まったA探し。警察も捜索してくれて、案外早く見つかった。そこで、Aがよほど怖い思いをしたのか、男性嫌いになってしまった。僕らだけはAから拒絶されなかった唯一の家族以外の男性だったから嬉しかった。

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君は昔から僕をヒヤヒヤさせすぎだよ。色々な事に巻き込まれてさ。
もしかしたらあの喧嘩は僕がAをヒヤヒヤさせてしまったかもしれないから、僕も人の事言えないけどさ、、、。

早く君の元気な姿を見せてよ。Aがそんな辛そうな顔してるのは僕も辛い。できることなら代わってあげたいけど、あいにく無理だからさ。
そんな思いを込めて濡らした手拭いを彼女の額へ置く。


彼女が笑った気がしたのは気のせいだろうか。

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