岡本さん家の恋愛事情２。 (ページ43)

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これが…俗に言う…。ページ43

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正月も終わりパパはまた海外へ、慧も仕事、大学組も学校。通常の日々が始まっていた。

年末に以前お世話になった出版社から急遽ｲﾗｽﾄの仕事を頂き、山田さんの挿し絵の他に2件の仕事をしていた。
出版社の方は依頼された物をｲﾗｽﾄ化するだけだったから時間もかからず終わり引き渡した。
絵本の方も下書きが終わっている。
山田さんと打ち合わせしたいが、正月明けに電話でご挨拶をした以来、かれこれ1ヶ月近く山田さんから連絡はないと思っていたら、あの騒ぎ。
まさか、ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞで倒れていたなんて…。

昨夜のうちに裕翔と連絡を取り、必要なものなどの確認。
午前中暇だという圭人に乗せられ買い出しと山田さんのﾏﾝｼｮﾝまで送ってもらった。
午後から撮影という裕翔と交代し、１人部屋に残ると途端に緊張が走る。

ﾄﾞｷﾄﾞｷを抑え寝室で眠る山田さんを確認する。
熱は39°6と高い。息は荒く、咳も酷く、呼吸がしにくそうだ。
私が来る前に着替えと冷えピタの交換はしていると聞いていたので、眠っている間に何か食べれそうな物を用意する。

お粥にｾﾞﾘｰにｱｲｽを用意し、再び寝室で眠る山田さんの元へ。
ﾄﾞｱを開ければ虚ろな目をして起き上がる山田さん。
ym『あ…れ？ｹﾞﾎｹﾞﾎﾞｯ…光…さん。幻？』
…高熱で意識朦朧としてるのかな？
「…光ですけど…。山田さんお粥食べれる？」
ym『…夢でも…いい…や。俺…光さん…ｹﾞﾎｹﾞﾎﾞｯ…不足…だった…し。』
合わない目線に噛み合わない会話。相当辛いのかもしれない。

いつもと違いふわふわした山田さんに戸惑いながらも、水分補給にお粥を半分食べさせ、ｱｲｽに薬を混ぜて食べさせれば重くなっていく瞼。
すでに暑くなった冷えピタを交換し、顔や首回りなど上半身の汗を拭き終わる頃には、山田さんは夢の中。
さて、片付けようと立ち上がれば
「ふぇｯ!!!」
ym『…い…かな…いで…。独り…ｹﾞﾎｹﾞﾎﾞｯ…し…ない…で。』
!!!
緩く捕まれた手首から熱が伝わる。
何…ｺﾚ…可愛いんですけど。

「ずっといるから。安心して眠って。」
そう言って手を握り返し、そっと頭を撫でれば潤んだ瞳を閉じ眠りについた。

ﾊｯと気がつけば私も眠っていてたらしい。山田さんを見れば荒かった呼吸も幾分穏やかになり一安心し、部屋を出る。

病人とはいえ、あんな甘え方…。
普段ｸｰﾙでｶｯｺｲｲ山田さんの違う新な一面にﾄﾞｷﾄﾞｷが止まらない。
これがｷﾞｬｯﾌﾟ萌えか…。