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正月前の一仕事。 ページ35

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今年の汚れ今年のうちに。
このCMのキャッチコピー…毎年の光姉さんの口癖だ。

まぁ、この家は綺麗好きな光姉さんのお陰で基本キレイなんですけど。
それでも、年末にパパが帰ってくる前の大掃除は姉弟総出で行うのが恒例。

キッチンや水回りを光姉さん。
書庫やアトリエを慧姉さん。
仏間とリビングを侑李が担当している。
各々の部屋は各々で。
ちなみに外掃除は僕と高木くんの担当。

…何故高木くん?疑問はごもっとも。

岡本家には男手が足りない。いくら光姉さんが強いとはいえ、力仕事は僕の役目。しかし僕だけでは終わらない。
そこで光姉さんのお眼鏡に叶ったのが、高木くん。

ありるんと高木くんはパパよりもこの家にいる率が高い。
歯ブラシや着替えなど、ある程度の私物が置いてあり、姉弟の部屋(主に僕と慧姉さんの部屋)で寝る事もたまにあるが、2階の客間はほぼ彼らの部屋になりつつある。

その事を苦々しく思っていたらしい光姉さんは、対価として毎年恒例の大掃除を手伝う事を条件にされたのがきっかけ。


しかしながら、二人はこの時期は仕事が忙しい。
なんせ二人は正月休みなんてもの元旦くらいしかないアパレル務め。
それでも毎年休みを取ってやってくる高木くんはやっぱり出来る優男。
ちなみにありるんは、いても戦力にならないと烙印を押され、大掃除の日は仕事をしている。

でも今年はもう一人戦力が増えた。


yt『んー。圭人こんな感じ?』
「そうそう。あとは流してモップの方で拭くの。」

慧姉さんと婚約してから、ウチに出入りする機会が格段に増えた裕翔くんに、大掃除の話をすれば2つ返事でOKを貰い、男手が増えて光姉さんは大喜びだ。
今年はそこらじゅうピカピカにすると、朝から鼻息荒く慧姉さんと侑李に嫌な顔をされてたな。

hk『圭人、裕翔、高木、お昼にしよう。』
光姉さんの呼び掛けで家の中へと入ればいい匂い。
光姉さん特製の炒飯に餃子に野菜スープを食べる。
高木くんはこのスープ美味しい。なんて気配り。
裕翔くんは慧姉さんに、自分が掃除した窓を自慢し、侑李は餃子に夢中。

なんだか良いなぁ〜。
ママが亡くなって、パパも忙しい。
一人減ったはずの岡本家に最初はありるん。そして高木くん。今は裕翔くんまでも。段々と家族が増えていく。
まぁ〜ありるん達は友達なんだけど…侑李曰く、大ちゃんは居すぎ!!!だから家族みたいなもの。
次は誰が増えるのかな?
午後も頑張ろう。

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作者名:一斤染 | 作成日時:2016年11月7日 17時

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