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サプライズなんて粋なこと。【X'mas番外編】 ページ28

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街はX'masでごった返し、今日は恋人達の宴と化していた。
ウチの姉弟達も例外ではない。

慧はいつものごとく裕翔の家から帰ってこないし、侑李は薮とのX'masデートに浮かれながら出掛けて行った。
唯一、恋をしていない圭人もサークルのスノボに出掛けていった。

とか言う私も先ほどまでいた山田さんとの仕事と言う名の逢瀬の余韻に浸っている。


ym『X'masに仕事させてごめん。』
そう言った山田さんに今日は誰も居ないから、平気と返せば
ym『そうなんだ。クソー。俺も仕事がなければ光さんと遠出でもしたのに。』
なんて嘘か本気かわからないような事を言う。


普段から売れっ子の山田さんが、この時期猫の手すら借りたいくらい忙しいのは想像がつく。
その中でも休みをつくり、私と出掛けてくれるだけでもありがたい事なのだ。
だから無理を言ってはいけないと思いつつも、幸せを掴んだ慧と幸せになろうと踏ん張る侑李をどこか羨ましく思えてしまう。
自分は何一つ行動を起こしていないとわかっていながらも…。


今日の仕事はバレンタイン辺りに発行する絵本で少し大人びたうさぎが主人公だった。
好きなくまの子に素直になれず、喧嘩をして仲直りのきっかけを探すそんなお話。

山田さんとの打ち合わせを元にスケッチを始める。
さっきまで山田さんと打ち合わせをしていたからか、スムーズに進む。
何枚か描き終えて一息つこうと思い、コーヒー淹れる為にキッチンへ向かう。


「あれ?なんだろうこれ…。」
コーヒーを淹れている時、ダイニングのテーブルの上に見つけたのは綺麗な黄色のリボンに包まれたプレゼント。
こんなのあったかな?と考えていれば、そこは山田さんの座ってい席。

カードを開けて見れば
【My dear H from R 】
「…キザ。」
山田さんらしいといえばらしい。
言葉使いの癖に…送り先と贈り主は記されているけど言葉は何もない。


中身を開けて見れば
レザーで出来た手首にファーのついたワインレッドが綺麗な手袋。
これなら車も運転出来そうだし。
なんせお洒落。


もしかしたら、打ち合わせなんて口実でこれを渡しに来てくれたのかもしれない。
寂しいと気づいてくれたのかもしれない。
暖かくなる心と広がる愛しさに胸が苦しい。

お礼のLINEを考えながら貰った手袋を見つめる。
あッ!!!私何も用意してないし。
お返しは何にしよう。
そう考える時間すら楽しくなるなんて、本当に恋は魔法なのかもしれない。

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作者名:一斤染 | 作成日時:2016年11月7日 17時

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