岡本さん家の恋愛事情２。 (ページ11)

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術中に嵌まる乙女心。ページ11

arside

yr『最近…つまんない。』
暇!!!とLINEがきて何事かと駅前のｶﾌｪに呼び出してみれば、不満気呟きに紅茶をすする侑李。

「何が不満なの？」
ぐでーｯとする侑李に問えば
yr『宏太とはこれと言った進展ないし、割かし頭もいいから、大学も問題ないし、家に帰ってもけーともひかも飽きたから、慧ちゃんで遊びたいのに居ないし。とにかく普通に過ぎる毎日がつまんない。』
とむくれる。

普通ｯて、遊び盛り?の大学生で意中の相手とﾃﾞｰﾄもしてて、大学も上手くいってて、家ではひかの美味しいご飯が待っている…ｯてその普通がどんなに幸せかわかるか？このﾘｱ充め。と怒りが沸いたのはおいておこう。

「ちゃん。また忙しいの？」
yr『うん。この前程じゃないけど…仕事に打ち込んでるから近寄りがたいし、休みだって気がついたら居ないんだよね。』
つまんないとぼやく。
…侑李はちゃん大好きだもんな。
まぁ、あの家族は基本侑李にｹﾞﾛ甘だが、ちゃんは一歩引いたところにいる。それが侑李には心地よいのかもしれない。

「薮ちゃんは？」
yr『ﾃﾞｰﾄはするけど、告白されたとかない。』
はぁ～とため息。
おぅおぅ、乙女ですなぁ～。
yr『…私魅力ないのかな？何で告白してくれないんだろう。』

!!!
それは…薮ちゃんだから。
高木と双子から聞いた、薮ちゃんの野望。

侑李がﾒﾛﾒﾛｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞになるまで、思わせ振りな事はしても、告白はしないという帝王ｽﾀｲﾙ。
恐ろしい。恐ろしいから侑李には言えない。
そんな事を言ったところで、侑李が宏太素敵♥となるわけないし、もしかしたら引いてしまう。
それは避けなければいけない。
普段、小悪魔全開なのに自分の恋には、純粋で奥手な侑李。
双子は揃って薮ちゃんを鬼畜、ど変態と罵るが、侑李にとっては王子様。
しかも幼き頃より想いを馳せる、初恋の人。
成就させてやりたい。

「それはない。薮ちゃんは大人だから、段階を踏んでるんじゃない？侑李が初めてだってわかっているだろうし、ゆっくりしてくれてるんだよ。」
あー。こんなありきたりな事しか言えない。
このままじゃ名折れ…恋愛ﾏｽﾀｰありるん。

yr『このまま進展ないとかない？』
いつになく弱気な侑李。
すがるような上目遣い。
可愛い。可愛過ぎるだろ!!!

「ないない。侑李から告白したら？」
それは無理～。と項垂れる侑李を撫でながら、騙している気分になりつつも、早くくっついてくれと密かにため息をついた。