出逢い７ ページ7
ワタシ達は１度本丸に戻り兼さんの案内で道場に来ていた。本番さながらの気迫に呑まれていたワタシは兼さんに続いて静かに一礼して片隅に正座した。
和泉守)
此処は見て分かる通り手合せをする所だ。短刀と太刀だったり互いの短所を補うには丁度良い場所だ。
雅裕琉)
皆さん、輝いてますね。とても、綺麗……
和泉守)
！？俺達が綺麗だと？
雅裕琉)
元々は神様に献上するために作られんだと何かで見ました。決して全部が戦のためにあるのではないと。その上で、主の澄んだ霊力が相まって皆さん、とても綺麗です…
和泉守)
おっ、おい！大丈夫か？
その兼さんの大声で道場に居た何人が、此方の異常に気付いて駆け寄り
鯰尾)
和泉守さん、見習いさん泣かせたんですか???
和泉守)
いや、そんなんじゃねえよ。何かを感じて泣いてるだけだっての。
雅裕琉)
すみません！兼さんが悪いわけではありません。この本丸の空気が余りにも綺麗で…ワタシも無意識に泣いていたみたいです。すみませんでした…
ワタシは一礼して道場を出ていった。
和泉守)
あっ、おい！待てっての！みんな、悪いな？続けてくれ。
縁側に腰掛けると自分の中に流れ込む清い何かに戸惑いながらも先程の刀剣達の綺麗さを思い返していた所に兼さんが走ってきた。
和泉守)
大丈夫か？その…気分は。
雅裕琉)
あっ、はい。案内の途中ですみませんでした。
和泉守)
いや、構わねえよ。ただ、お前…この本丸の空気が合わねえんじゃねぇか？
雅裕琉)
まだ来てから２日目ですから馴染むのは難しいと思います。主さん凄く純粋でワタシにも分かる位の澄んだ霊力に凡人のワタシは戸惑っているのは確かです。今まで自分が居た場所にはなかったので…
和泉守)
身体に支障が出るのなら、こんのすけに相談してみろよ。
雅裕琉)
はい、兼さんありがとうございます。特段嫌では無いんですが生活するには少しキツいかも知れないです。
和泉守)
じゃ、今日はもう休め。主には俺が言っといてやるから。
雅裕琉)
すみません。お言葉に甘えさせて頂きます。
兼さんに一礼してフラつきながらも離れに向かうことにした。
和泉守)
さて、主に報告してくるかな。
和泉守もその場を後にし、主の部屋に向かったのだった。
和泉守)
主、入るぜ？
主)
あっ、兼さん？どうぞ。
和泉守は部屋に入ると
和泉守)
見習い、具合悪くなったから部屋に返したぜ？
主)
えっ???何かあったの???
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作者名：iceblast5 | 作成日時：2018年12月1日 21時
