【WT】A級4バカが一角、頑張る。 (ページ10)

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9.悪者はどっち？ページ10

止まってても仕方ないんで、皆との合流……最悪遠征艇に辿り着ければいいかな、なんて思いながら最大限辺りを警戒して歩みを進める。

ほどなくして、前方に人影を見つけた。子供か？なんにせよ、体格からして遠征メンバーでないことは確実だ。となると……

『人型近界民(ネイバー)……！！』

理解して直ぐさまスコーピオンを出す。だがあっちは攻撃してくるどころか私に気付く気配すらない。泣いている子供をブッ刺すのは流石に気が引けたので、情報収集も兼ねて警戒を解かずに話しかける。

『ねぇ』

「…………何？」

私が話しかけると大袈裟だと言わざるを得ない程にビクッと体を揺らし、畏怖の目で私を見つめる子供。……近界民のお前(・・)が、そんな顔するのか？

近界民の被害を受けなかったと言えば嘘になる。けど私の場合、むしろ"被害をもたらしてくれて"ありがとうって気持ちの方が圧倒的に強い。そりゃまあ、肉親を喪ったんだからほんの少し喪失感はあるけど、それでもだ。

でも、城戸さんや三輪を近くで見てればそうも言えない。日夜問わず出没してきて私の睡眠時間を削りまくっていることも相まって、日に日に恨みは増していく。

そんな近界民が今私にビビって警戒している。隙あらば逃げようとしている。あんだけ私達の故郷をメチャクチャにしといて、だ。そりゃ多少はピキッと来るわけで。私が子供の近界民の喉元にスコーピオンを突き付けるとﾋｯと声を漏らすガキ。

『おいガキ。ビビってるとこ悪いが情報吐いてもらうぞ。人間見なかったか？素直に言えばお前の処遇も考えてやる』

「……アイツらも、同じ事言ってた。人間の女知らないかって。知らないって言ったら攻撃してきた。せっかくお父さんが僕をあの人間達から逃がしてくれたのに、結局人間に殺されるんだ。僕達は何もしてないのに！！」

『……"何もしてない"？どの口が言ってんだ』

「玄界(ミデン)に侵攻してる奴らもいるけど、それは他の国だもん！僕達は何もやってない！！」

『……は？』

ミデン？侵攻してる"奴ら"？他の"国"？

さっきっからコイツの言ってることは矛盾しまくっている。それじゃまるで、お前の言い方は……まるで＿＿＿