3.怖いって ページ4
「は？」
ってことを緑川に伝えたら返ってきたのはこのガチトーン。怖いんだけど普通に。
「とがりん先輩行っちゃうの！？」
『う、うん……ソウデス……』
「えー！おれも連れてって！！とがりん先輩と離れるの嫌だ！！」
可愛いけど。可愛いけど！
最初の「は？」が怖すぎて思わず片言になる。お前そんなひっくい声出せたんだね。Aちゃんビックリ。
『ムリムリ。私の一存じゃ決めらんないよ。行きたいなら城戸さんに直談判しな』
＊──────＊
と、会話した2時間後
『えっ、…………鋼さん、今何て？』
「緑川が城戸指令に遠征に連れて行けと直談判したらしい」
強化睡眠記憶とかいう鬼強
それを聞いた私は顔面蒼白冷や汗ダラダラ。
『(ぜっったい私のせいじゃんっ！！)』
「どうかしたのか？」
『い……いや、何でもナイデスヨ？』
「？そうか。それにしても、やっぱりAは凄いな」
いつ城戸指令に呼び出されるものかと内心焦りまくっていると鋼さんに褒められた。微笑つきで。圧倒的包容力……。
と思っていると、少し俯く鋼さん。
『腹痛ですか？変なものでも食いました？』
「いや……Aは、オレと戦うのが嫌じゃないのか？すぐに学習して、対処してしまうから……あ、嫌味じゃなくて、」
『？すぐ学習して対処してくれるから面白いんじゃん』
「……どういうことだ？」
『対処してくれたら次どーしよう、って考える楽しみが増えるでしょ？そんで次はこっちがそれに対処するために別の動きして強くなれる。鋼さんはまたそれを学習して対処して……win-winじゃん』
首を傾げる鋼さんにその旨を伝え、当真くんなら私がどんな動きをしても合わせてくれるしね。と付け足す。冬島さんは何故か私の動きをことごとく予測してくるし。
そんな私を数秒見つめ、笑い出す鋼さん。
「そうか。Aはそういう奴だったな。……ありがとう」
『……は、はい……？』
「おいコラ鋼！どこほっつき歩いてんだ！」
なんか分かんないが良い雰囲気っぽかったのに、影浦先輩の怒鳴り声で台無しになった。この人そーゆーとこあるよなぁと思ってると、影浦先輩が私に気付いた。
あ、嫌な予感。
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作者名：白黒 | 作成日時：2023年11月24日 21時
