東京侵攻、その先に (ページ6)

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６.「処分」ページ6

「食うモン食ったな？ほな行くで」

爆睡したお陰か昨日より精神状態はかなりよくなっていて、苅込さんとそれなりに盛り上がっていると、韮澤さんが切り出した

『？』

「あ、忘れとった」

「お前ほんま、いつか兄貴にどつかれんで」

苅込さんも要件を思いだしたらしく、終始ハテナを飛ばしている私の手を引いて屋敷を練り歩く

◇◆◇◆◇

「……色々話す前に一つだけ聞いてもええか？…なんや、その大量の荷物」

『お菓子です』

「そういうこと聞いてんとちゃうねん」

苅込さんと韮澤さんに着いていった先は昨日のムカデさんがいる部屋
ムカデさんの横にはこれまた昨日の白スーツさんと室屋さんがいる

何だろう…と緊張していると、ムカデさんが質問を投げかけてきた。私が腕一杯に抱えてる荷物改めお菓子について

『理由は分かんないですけど、貸してもらった部屋からここに来るまでの間に２０人くらいからすっごい貰えました』

「あー、うちはむさ苦しいからなぁ…女の子おったら菓子あげたなる病気やねん。気にせんといて」

そう、苅込さんに手を引かれ、ここに来るまでの間にごっつい顔面したおっさ…おじ様方にアン◯ンマンチョコだとかタマゴボールだとか、可愛い系のお菓子をたくさん貰った

ということを告げると、白スーツさんが半笑いで答えてくれた
気にすんなと言われましても…

「その菓子は適当に置いといてええで。…んで、本題なんやけど」

ムカデさんにそう言われたんで近くのソファにお菓子を置いた

その後ムカデさんに向き直ると、一回言葉を区切られた

「あんた、これからどうするつもりや」

『…どうするって……東京帰って葬式やって、普通の生活に戻ります』

「……俺らが巻き込んどいてなんやけどな…裏社会っちゅーもんは入るのは簡単でも、一度関わったら完全に抜け出すのは不可能に近いねん」

「つまり、あんたはこれから裏社会と向き合いながら生きていくしかないんや」

…なんとなく、分かってはいた。驚きはなかった

でも…言葉が終わった途端、ムカデさんと白スーツさんが頭を下げたのには流石に驚いた

「ほんまに申し訳ない。謝って済む問題やないのは分かっとる。ただ謝らせて欲しい。カタギを巻き込んで、家族を失わせてしもて…ほんまに、すんまへん」

「組員の責任は俺らの責任や。カタギを巻き込むなんて許されることやない。全て、俺らの処分はあんたが決めてくれ」