東京侵攻、その先に (ページ3)

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３.「惨状」ページ3

『…は？』

この惨状を前にして＿＿ちゃんとした日本語を発せられる人間がいるのだろうか

室屋さんが帰った後、両親が帰宅し、晩ご飯を済ませ、家族で団欒していた

ふと、こんな普通な生活を送れてることは幸せなんだと思った
何でかは分からない。虫が知らせたのかもしれない

直後、自覚したばかりの幸せが叩き壊される

「死ねぇえええ！！」

「恨むなら室屋を恨むんだなァ！！」

銃やらナイフやらサブマシンガンやら…とにかく武装した男達が家の扉を蹴破ってきたのだ

当然一般人が反応できるわけもなく、無惨にも鉛玉が両親を撃ち抜いた
その瞬間を、私の目はしっかりと捉えていた

『…は？』

そこからの事は覚えていない

気づけばそこは血溜まりで
気づけば周りには両手じゃ数え切れない程の屍が転がっていて
気づけば室屋さんに肩を揺さぶられていた

「おい！！しっかりせえ！！」

『あ……お母さん、は…お父さんは…？』

問うと帰ってきたのは室屋さんの苦い顔

これで全てを悟った
あぁ…ダメだ

これからどうやって生きていけばいい
いっそここで死んでしまおうか

そんな思考を脳内でグルグルグルグル回していると、室屋さんにある提案をされた

「すまん…俺のせいや。俺が無理にでもお前の手当て断っとったら、こないな事にはならんかった。ホンマにすまん……」

『………』

「それを分かった上で言う」