33.天使。 ページ33
家に帰ると、雅紀は昨日の宣言通り豚の生姜焼きを作って待っていてくれた。
「豚汁も作ったんだけど、豚と豚になっちゃった」と作った本人はちょっと気まずそうだったけど、どちらもとても美味しかった。
「ねぇ、雅紀」
「ん？」
「お風呂入る前に、プリン解消しない？」
「プリン？今日は買ってないや...食べたかった？」
食べ終わったお皿を重ねながら、彼が「ごめんね？」って申し訳なさそうに眉毛を下げる。
「アハッ！違うよ、髪の毛のプリン！」
「あー！」
雅紀は「こっちか！」って、自分の頭にポンと掌を乗せた。
「ブリーチ買ってきたから、やってあげる」
「え？Aちゃんが？」
「うん」
「え、僕できるよ！」
「いーから」
私も食べ終わった食器を重ねてキッチンを持っていくと、雅紀が後をついて来た。
その手にある食器を受け取って、食洗機に入れる。
「Aちゃん、ホントに僕自分でやるよ？」
「誰かにやって貰う方が綺麗に出来るでしょ？」
んー...とまた口一文字にしてる雅紀の背中を押して、リビングの床に座らせた。
バスタオルを持ってきて彼の肩に掛けて、ブリーチ剤の説明書を2人で読む。
ある程度読み終わったら、体育座りしてる雅紀の後ろに私が膝立ちした。
「じゃあ、始めまーす」
「お願いしまーす」
雅紀の髪の黒くなってる部分に、ブリーチ剤を塗っていく。
鼻につく匂いを逃がす為に窓を大きく開けて「寒いねー」なんて笑い合って。
付けっぱなしにしてるテレビでは、あるタレントさんがお誕生日サプライズされてる。
「あ、そう言えば雅紀のお誕生日っていつなの？」
「僕？12月24日」
「えっ！？クリスマスイブ！？」
雅紀が首を上に向けて、後ろにいる私を見上げた。
「うん、クリスマスイブ」
目を細めてアハ、って笑った顔があまりにも可愛くて
「クリスマスイブ産まれだなんて、何か.....」
『天使みたいだね』と、言おうとして、やめた。
馬鹿みたいだけど、本当に雅紀が天使だったとしたら「バレちゃったー！もう地球にはいれないなー！」って消えてしまうんじゃないか？なんて思ってしまったから。
ありえないんだけど。そんなの分かってるんだけど。
「Aちゃん？」
「...素敵な日に産まれたんだね！」
「みーんなクリスマスに夢中で僕の誕生日なんて忘れられちゃうけどね」
その声が少しだけ寂しそうに聴こえたから「今年のクリスマスイブは雅紀のお誕生日会しようね」と言うと、彼は照れ臭そうに笑った。
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米(ヨネ)(プロフ) - ずっと読みたかった『アディクトインダストリー』やっと読める日が来た事に感動(T^T)同じ人のお話を並行して読むには頭が追いつかないようで(笑)他の相葉さん読んでる最中に登場したレイさんの相葉さん。ずっと保温させていただいてました。満を持して！お邪魔します^^ (2019年3月29日 4時) (
レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 明けましておめでとうございます。櫻井社長が何か仕掛けてくるのか、こないのか。気になる。３月まで忙しくてリアタイで読めないの(泣)だから変なタイミングでコメントする事をお許し下さい(笑) (2019年1月2日 9時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - みっちゃんさん» 楽しんで頂けててよかったですー(*´ω｀*)cube、私も好きな映画だったのでお話に出したいなぁと思って(*´ω｀*)新章も楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - なおさん» 何か、例えばニノちゃんのお話だと物凄く反応を頂けるんですけど今回はあまり楽しんで頂けてる雰囲気を感じられなかったんですよー(^◇^;)でもお声掛けして頂けて良かったです！最後まで頑張ります(*´ω｀*) (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - こっしーさん» こんにちは！私もこんなワンコが家にいてくれたら、本当になんでも頑張れるしすぐ家に帰りますー(*´ω｀*)続きも楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年12月5日 0時
