4.秘書のハナシ。 ページ4
「世間に知られたらシャレになりませんよ」
二宮が嘆くように呟いた。
「榊グループの社長がどこの馬の骨か分からない男を囲ってるだなんて...マジで...」
わざとらしく頭を抱えてる。芝居じみてる。
「.....大袈裟な」
「いやマジで。めちゃめちゃスキャンダルですからね？分かってます？分かってませんね、分かってませんよねアナタ」
「...うるさいなぁ」
「はぁ？お前が馬鹿だから言ってやってんだろ」
般若みたいな顔して捲し立てた二宮が、すぐにニコッと微笑み「これは失礼」と自分の口元を両手で塞いだ。
二宮は、同期入社だった。
私はホテルのフロント業務で彼は本社勤務だったけど、例の女性客限定ホテル立ち上げの時に一緒にプロジェクトを動かしてくれたメンバーでもある。
「なーんでオレがお前の下僕にならなきゃいけねんだよ！お断りだ！」と強烈に拒否された社長秘書への異動人事。
そんな事を言われても、私が決めたわけじゃない。
父親が「優秀な二宮君が側に居てくれたら未熟なAも大丈夫だろう」と決めた人事だ。
それを父親から直々に伝えられた二宮が、私に見せた態度とは真逆に「光栄です」とニッコリ天使のように笑ってたのが恐ろしかったのを覚えてる。
「ヒモ囲ってる女社長とか、AVか」
「下品。ってゆーか、ヒモじゃない」
「まだ居候だって言うの？」
「そうだって何度言わせんの？二宮しつこいよ、うるさい」
私が苛立ちを隠さずに言うと、二宮は呆れたように鼻で笑い「せめてあの男に仕事させろや」と言うと手帳を広げた。
「社長、10分後に朝一でミーティングが入ってます」
「...はい」
「資料をまとめてありますので、目を通しておいて下さい」
私の前に資料を置いてペコリと頭を下げた二宮は、社長室から出て行った。
彼のデスクは部屋を出てすぐそこにある。
きっと面倒臭そうな顔をして、そこに座ってるんだろう。
はぁ...と溜息が零れた。
私だって理解してない訳じゃない。
自分の立場だって分かってる。
やっぱり、素性のよく分からない男を家に住まわせてるってゆーのは噂好きな人達にバレたら恰好の餌食になるだろうと思う。
「.....」
でも、私は何故か雅紀を追い出す事なんて考えられない。
家を出る時に見せてくれた彼の笑顔を思い出すと、今の憂鬱な気分もスゥっと消えてしまう位だ。
会議の時間だと部屋に入って来た二宮に「家政夫だよ」と言うと、「何の話ですか」と意地悪な顔をされた。
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米(ヨネ)(プロフ) - ずっと読みたかった『アディクトインダストリー』やっと読める日が来た事に感動(T^T)同じ人のお話を並行して読むには頭が追いつかないようで(笑)他の相葉さん読んでる最中に登場したレイさんの相葉さん。ずっと保温させていただいてました。満を持して！お邪魔します^^ (2019年3月29日 4時) (
レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 明けましておめでとうございます。櫻井社長が何か仕掛けてくるのか、こないのか。気になる。３月まで忙しくてリアタイで読めないの(泣)だから変なタイミングでコメントする事をお許し下さい(笑) (2019年1月2日 9時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - みっちゃんさん» 楽しんで頂けててよかったですー(*´ω｀*)cube、私も好きな映画だったのでお話に出したいなぁと思って(*´ω｀*)新章も楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - なおさん» 何か、例えばニノちゃんのお話だと物凄く反応を頂けるんですけど今回はあまり楽しんで頂けてる雰囲気を感じられなかったんですよー(^◇^;)でもお声掛けして頂けて良かったです！最後まで頑張ります(*´ω｀*) (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
rei(プロフ) - こっしーさん» こんにちは！私もこんなワンコが家にいてくれたら、本当になんでも頑張れるしすぐ家に帰りますー(*´ω｀*)続きも楽しんで頂けますように☆ (2018年12月30日 12時) (レス) id: 7992a9c5f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年12月5日 0時
