まさかのあなた

16番目の人 ページ30

〈恐竜さんは私の左にいたよ〉


てことは、俺から見てこの人の右に恐竜がいて、俺は右から15番目を数えたから…


15番目が恐竜だって思った時点で16番目の人なんてこれっぽっちも見てない


なんだったら14番目の人すら見たかどうか覚えてない


てか、数え間違ってるし！


SW「ヒョン、恐竜の左隣ってどんなんだったか…」


SM「覚えてるわけないでしょ」


ですよね


SM「あんな着ぐるみ着てチカチカするようなボード持ってたら目立ちまくって前後左右の人なんて見てないよ」


だよなぁ、それに着ぐるみは見てたけど着てた人の顔まではっきりとは覚えてないし


SM「もうさぁ、いっそのこと会っちゃえば？」


はい!?


SW「いやいやいや、ダメでしょそれは」


SM「なんで？面白そうなのに」


SW「アイドルがファンと会うとか…ダメでしょ！」


SM「でもこの子、そのうちライブなくても会おうって言いそう。遠くに住んでるわけじゃないんでしょ？絶対言ってくるよ。そしたらどうするの？」


う…どうしよう…

ヒョンの言う通り、この人会おうって言いそう


ここはやっぱりフェードアウトってことで…


SW「なかったことに…」


SM「うわ最低。さんざん振り回してそれはないな」


SW「振り回されてるのは俺の方ですよ！」


SM「僕のファンにシウォンの話振る時点で間違ってるよ。自分が悪いんだからね」


俺が悪い…俺が悪いけども


SW「ファンに会うのはやっぱりまずいよ…」


SM「ファンに会うのはね。でもその子、シウォンのファンじゃないからいいんじゃない？」


うわぁ〜なんかすごい心をエグられた


SM「何かが生まれるかもよ」


SW「何かって何ですか」


SM「恋とか愛とか？ま、それは無理でも友情は生まれるんじゃない？なんてったってお互い僕のこと好きだもんね〜」


ニヤニヤニヤニヤ…

他人事だと思って面白がってる


あ〜どうしよ、ほんとどうしよ



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