起こされたい。 ページ17
くっそう……
甘いよショウサクライ！なんだよ！そういうのは“起きてる”時にやってくれってんだ！
「ははっ。ぷっにぷにだなー」
小声……それはそれは、あまーい小さな声で。
翔は私のほっぺたをプニプニフニフニと何度もつっつきながら、小さく笑う。
……これじゃ、いつまで経っても起きられないわよ。
段々と、罪悪感みたいなものが出てきた。
翔の思いを、聞いてしまったこと。
親友同士の会話を、片一方だけだけど、盗み聞いてしまったこと。
良かったのかな。なんかフェアじゃないっていうか……さ。
「んっ」
やば！油断してた。
突然の唇の感触には、気づかないフリができなくて。
すっかり起きてマース！な状態の声で反応を……
「ごめん。起こしちゃったか」
恐る恐る目を開けると、ごめんと言いながらめちゃくちゃ間近で微笑むショウサクライ……
だいたい分かっちゃいたけど、添い寝状態でそこにいらっしゃる。
「起こしちゃったというか。起こしたかったんじゃないの？」
「あ。そうとも言う」
私はウフフとか可愛い返しができずに生意気なことを言っちゃって。
でも翔はあっさり思惑を認めて。そのまま、またチューしてきた。
「さっき、お兄様と電話してたわ。今度飲み行こうって」
「……へぇー。あーそういえばぁーなんか遠くで声が聴こえた気がするなぁー」
「なんか聞いた？」
「なんか……って？」
「……いや。寝てたらわかんねーよな」
添い寝で添い手……というのか。翔の指が、私の髪をゆっくりと梳いていく。
私は、またこのまま眠れそうな心地よさとドキドキで目が覚めていく感覚……二つを同時に味わい中。
「なぁ、A？」
「へいへい？」
「この先の話、つーか。覚えといて欲しいんだけど」
そう言った翔は、髪を梳くのをやめた。
その代わりに今度は、私の手を取って……ごく自然に、指が絡まっていく。
「おまえに伝えないといけない事は、ちゃんと全部、俺の言葉でそうするから」
「う……ん、と……？」
「これはかなり例えばの話だけどさ。よーへーから聞いたとするだろ？俺がどうのこうの言ってたって」
「うん」
「それがおまえにとって良い事でも悪い事でもさ。とにかく、俺がおまえに直接伝えない限りは、それは俺の言葉じゃねぇから……まぁ、おまえの兄貴はそんなことしないけど」
私は、急にドキドキし始めていた。
やっぱり翔は気づいていた？
……でもそういう感じじゃない……気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みつな
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月15日 0時
