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寒空の下。
大阪城にきらきらと星が降る今宵の月を見上げる。
遠くで噴水の音が静かに聞こえていて涼しい。
芝生の絨毯に腰を下ろして、
だんだんと消えゆく自分の手のひらを
天にかざしてみれば、
風に揺られてぼんやりと発光した。
正門｢…っ、ほたる、！！！｣
聞こえるはずのない声が聞こえて振り向く。
汗だくになって追いかけてきたらしい正門くんが、
ステージ衣装のまま此処に居た。
広々とした大阪城公園に似合わない
その真っ白なスリーピースの衣装を着た彼は、
さながら王子様のようにも見えた。
身体の輪郭がうっすらと光を纏う。
『え。なんで、』
正門｢っ、はぁ、はぁ、(息切れしている)｣
まだライブのアンコールが終わってないはず。
なのに、なんでいるの。
ていうか、なんで私のことまだ見えてるの、？
『戻りなよ、！まだ終わってないやろ、ｯ』
正門｢終わっとらんよ、！！
やのに、ほたるだけどこ行くねん！？｣
『私はもう終わったんだよ！
ちゃんと演奏して見送ったつもりだし、彼らだって』
正門｢俺らのこと見捨てるんか！？｣
『っ、』
勢いよくぎゅっと抱き締められて、
その素肌の温かさにこれまでのAぇとの思い出が
走馬灯のように脳内を駆け巡った。
笑いあった日々。
一生懸命揃えたバンドの練習。
男塾とかコスプレ名言塾とか
バカみたいにふざけ合って。
同じ屋根の下、
優しく見守ってくれた誠也くんも
くしゃっと笑った顔がキュートなリチャくんも
いつもツッコミ待ちしてふざけ笑うこじけんも
調子いいこと言って私の膝枕の上で眠る大晴も
私にだけ甘えてひま電かけてくる可愛い佐野も
デレデレした顔でハグを求めてくる正門くんも。
堪らなく好きだった。
｢お前、誰なんだよ｣って
誰よりも思ってるのは私自身だったんだよ。
正門｢ほたる、っ｣
悲しそうな顔した彼の頬を撫でる。
ふわりと揺れるまつ毛を伝って
水滴が指にまとわりつく。
うるうるとした真っ黒な瞳が私を捉えて、
優しく微笑みかけた。
『…わかって。？』
正門｢…嫌や、っ｣
『これからも元気でね。』
正門｢嫌やって言うとるやろ、っ…｣
『今までありがとう』
正門｢…ほたる、っ｣
『大好きやで、まぁくん』
最後に消え入りそうな声で微笑み、
彼の頬にキスを落とせば、
正門｢俺も、大好きや…愛しとるよ、っ｣
顎を指でくいと持ち上げ、唇が重なった。
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白うさぎ(プロフ) - 桜歩さん» 桜歩様*° コメント遅くなりすみません、最後までお読み頂きありがとうございました🙌楽しんでいただけたようで何よりです◎本作を読んだ方にオススメしたい加藤さん著書は、処女作｢ピンクとグレー｣と短編集｢傘をもたない蟻たちは｣です！ぜひぜひ✨ (4月12日 17時) (
レス) id: 7854479347 (このIDを非表示/違反報告)
桜歩(プロフ) - 一気読みしたのですがとても面白くてほたるが消えてしまってからぼろ泣きしてました😭 私は加藤君については全然知らなかったのですが、この作品を読んでかNEWSの中で一番好きになりました！！よければ加藤君の小説でおすすめ教えてほしいです😖のおすすめ (3月20日 23時) (レス) @page30 id: 51550fe168 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ(プロフ) - かつみさん» コメント気付かずお返事遅くなりすみません💦ありがとうございます♥よくご存知で！紫耀くんのお家に廉くんと行くシーンがありました！覚えてらっしゃる方がいるとは恐縮です😖末規リクエスト承知しました🙆♀️ (8月24日 23時) (レス) id: 0221c59172 (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - そういえば改定されてから廉くんの家？紫耀くんの家？に行くシーン無くなりました？勘違いだったらすみません (8月3日 6時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - 正門くん誠也くんと甘々な感じがいいです！ (2022年12月15日 12時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白うさぎ | 作成日時：2022年10月23日 15時
