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みんながセンターステージに行くのを見送って、
大きく深呼吸をした。
真っ白の衣装に身を包むと、
身体が暗闇でぼんやりと辺りを照らすようだった。
バイオリンを手に持って
神経を集中させていると、
同じく羽根のような白い衣装に身を包んだ
Boys beの男の子が、私の衣装の裾を引っ張る。
小さな手が小刻みに震えている。
『どうした？』
男の子｢…っ｣
『大丈夫。怖くないよ。』
同じ目線になるようにしゃがんで、
優しく頭を撫でてやる。
男の子｢…ボクね、ほたるくんのこと大好きやで。｣
『ふは笑 ありがとうね。』
男の子｢楽しかった…？｣
『ん？』
男の子｢Aちゃん。幸せになれた？｣
『……うん。幸せになれたよ。ありがとう。』
最初に会った夢の中の男の子だと気付くのに、
そう時間はかからなかった。
ぎゅっと包み込むように抱き締めれば、
彼はふわりと姿を消した。
『…忍び込むの上手っ、笑』
スタッフ｢深神バイオリン隊、行きまーす！！｣
『はーい！！』
Boys beを従えて、
ステージへの階段を上る。
ソレを肩に挟んで弓を置けば、
スポットライトが一斉にこちらへ走ってくる。
空言オーケストラの間奏を弾いてみせた。
目の前のケーキ状に組まれたセンターステージで、
Aぇ!groupのみんなが目を丸くしている。
皆へのサプライズだったんだ。
私にしかできない、バイオリンの音色。
城ホに美しいハーモニーが響き渡っていく。
心を震わすような、力強い歌詞とともに。
曲が終わりに近づいたそのとき、
肩からバイオリンが滑り落ちた。
それは床に叩きつけられ、
ぐわんと醜い音を鳴らして弦が弾け飛ぶ。
『…っ、！』
自分の両手が透明に消滅しかけているのを知って、
一刻も早くステージから降りなければと足を急ぐ。
一瞬、ステージ上の正門くんと目が合って
心臓がぎゅっと掴まれたように苦しくなった。
鉄骨の階段を降りて、裏口へと走る。
人の波をかき分けていく。
長い時間共に過ごしたマネージャーでさえも、
私の姿に見向きもしなくて、
もう見えていないんだって悲しくて
涙を堪えて
その場から逃げるように走った。
正門｢ほたる！！！！｣
大好きな彼の声も、私にはもう届かない。
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白うさぎ(プロフ) - 桜歩さん» 桜歩様*° コメント遅くなりすみません、最後までお読み頂きありがとうございました🙌楽しんでいただけたようで何よりです◎本作を読んだ方にオススメしたい加藤さん著書は、処女作｢ピンクとグレー｣と短編集｢傘をもたない蟻たちは｣です！ぜひぜひ✨ (4月12日 17時) (
レス) id: 7854479347 (このIDを非表示/違反報告)
桜歩(プロフ) - 一気読みしたのですがとても面白くてほたるが消えてしまってからぼろ泣きしてました😭 私は加藤君については全然知らなかったのですが、この作品を読んでかNEWSの中で一番好きになりました！！よければ加藤君の小説でおすすめ教えてほしいです😖のおすすめ (3月20日 23時) (レス) @page30 id: 51550fe168 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ(プロフ) - かつみさん» コメント気付かずお返事遅くなりすみません💦ありがとうございます♥よくご存知で！紫耀くんのお家に廉くんと行くシーンがありました！覚えてらっしゃる方がいるとは恐縮です😖末規リクエスト承知しました🙆♀️ (8月24日 23時) (レス) id: 0221c59172 (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - そういえば改定されてから廉くんの家？紫耀くんの家？に行くシーン無くなりました？勘違いだったらすみません (8月3日 6時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - 正門くん誠也くんと甘々な感じがいいです！ (2022年12月15日 12時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白うさぎ | 作成日時：2022年10月23日 15時
