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正門 side
正門｢どうして、これを…っ、｣
加藤｢…｣
電話が繋がった翌々日、
なんとかスケジュールをこじ開けて
加藤くんのご自宅に伺ったら
見覚えのあるキャリーケースを
目の前に出されて言葉を失った。
正門｢これ、ほたるのですよね、…？｣
加藤｢あぁ。｣
正門｢なんで…これを加藤くんが持ってるんですか｣
ほたるのものが
この世にまだ存在していることへの嬉しさとか、
懐かしさよりも、
まず最初に湧いてきた感情は
怒りにも似た醜い｢嫉妬｣だった。
冷静を装いながらも奥歯を噛み締める。
なんで俺じゃなく、他のメンバーでもなく、
東京に居る加藤くんやったのか。
それが納得いかんくて、頭が混乱していた。
加藤｢…俺にもわからない。だけどきっと、
あの子は"俺が記憶を無くさないこと"を知っていたんじゃないかな。｣
正門｢…意味がわかりません。｣
加藤｢あー、えっと…ほら、
なんて言ったらいいのかな…｣
正門｢加藤くんは ほたるの何を知っているんですか｣
加藤｢…｣
遠回しな含みのある言い方に腹が立つ。
｢どうせ言っても分からないだろう｣
そんな魂胆が見え見えなのが悔しくて
正門｢俺の知らない、何を知ってるんですか｣
加藤｢…｣
正門｢それだけあの子にとって、
あなたが特別な人やってことですか。
俺らよりもずっと？｣
先輩が動きを止めて黙り込む。
こんな八つ当たりみたいなことしたって
意味が無いってわかっているのに。
俺の心はもう既に折れそうやった。
1番近くにいたはずやのに、
俺らよりも加藤くんに信頼を置いていたことが悲しくて
俺はあの子のことを見れていなかったんやろうか
そんな無念がぐるぐると胸の中を渦巻く。
あまりのショックに立ちすくんだ俺に、
加藤くんは少し困ったような表情を浮かべた。
部屋の奥から香る珈琲の苦さが鼻をかすめる。
加藤｢…俺は、お前らが羨ましいよ｣
正門｢え、？｣
加藤｢確かに俺は、お前たちの知らないあの子の素顔を知っている。ただ、…ひとつ言えることは。あの子の1番近くにいたのは正門たちであって、…俺じゃない。
そこは胸張ってくれていい。
俺だってあの子の知らないことが沢山あるんだ。
例えば、…ほら。これとか。｣
そう言いながら
彼がキャリーケースのダイヤルキーに視線を落とす。
正門｢…｣
加藤｢俺が持ってたって開けられないんだよ。それってどういう意味かわかるか？｣
加藤くんが俯いて悲しそうに笑った。
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白うさぎ(プロフ) - 桜歩さん» 桜歩様*° コメント遅くなりすみません、最後までお読み頂きありがとうございました🙌楽しんでいただけたようで何よりです◎本作を読んだ方にオススメしたい加藤さん著書は、処女作｢ピンクとグレー｣と短編集｢傘をもたない蟻たちは｣です！ぜひぜひ✨ (4月12日 17時) (
レス) id: 7854479347 (このIDを非表示/違反報告)
桜歩(プロフ) - 一気読みしたのですがとても面白くてほたるが消えてしまってからぼろ泣きしてました😭 私は加藤君については全然知らなかったのですが、この作品を読んでかNEWSの中で一番好きになりました！！よければ加藤君の小説でおすすめ教えてほしいです😖のおすすめ (3月20日 23時) (レス) @page30 id: 51550fe168 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ(プロフ) - かつみさん» コメント気付かずお返事遅くなりすみません💦ありがとうございます♥よくご存知で！紫耀くんのお家に廉くんと行くシーンがありました！覚えてらっしゃる方がいるとは恐縮です😖末規リクエスト承知しました🙆♀️ (8月24日 23時) (レス) id: 0221c59172 (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - そういえば改定されてから廉くんの家？紫耀くんの家？に行くシーン無くなりました？勘違いだったらすみません (8月3日 6時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
かつみ(プロフ) - 正門くん誠也くんと甘々な感じがいいです！ (2022年12月15日 12時) (レス) @page28 id: 7ed3874fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白うさぎ | 作成日時：2022年10月23日 15時
