【薄桜鬼】新選組の鬼姫３（沖田総司）

真夜中 ページ6

屯所

真夜中目が覚めた。

微かな気配に庭に出ると猫だった。

猫が逃げていく。

A「猫。」

ふわりと背中から抱きしめられた。

A「千景様。」

香りと気配で風間さんだと分かる。

驚いて振り向こうとするけれどぎゅっと抱きしめられていて振り向けない。

何も言わないし、どうしたんだろう。

でも…。

A「ここは屯所。入って来てはだめです。」

風間「では連れて行く。」

A「だめです。千鶴と約束…。」

そういえば千鶴を妻にすると約束したわけじゃない。

風間「俺の妻はA姫で無ければならぬ。」

思わず振り払い、振り返る。

暗くて表情が分からない。

A「…っ。」

頭がくらっとして体が言うことを聞かない。

支えられて、抱き上げられた。

A「行きません。」

ため息をつくと抱き上げたまま私の部屋に入り布団に寝かせてくれた。

風間「熱か…。」

両手で頬を包むように触れて、またため息。

A「千景様。」

風間「もはや手遅れなのか。」

手遅れ？何が？

A「何がですか？」

風間「……またな。」

私の髪をすっと撫でると部屋をでていってしまった。

添い寝→←相談相手

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す