Cafeは裏口から。【8】【完結】 (ページ38)

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Don't look back 37 ページ38

Aside

A「聞いても、いいの？」

大野「…うん。まぁ納得できるような答えは出来ないけど」

背中に添えられた手が震えているのが分かる。

込められた想いの…カケラを見た気がした。

A「どうして拳銃なんか使ったの…」

大野「…衝動だよ」

抑えきれなかったんだ、と彼は言う。

大野「こいつは間違いなくAの息の根を止める機会をうかがってる。理不尽な理由をつけて俺たちと引き離すに決まってる。首に手をかけた瞬間に確信した。こいつは…本気でお前を殺す気だって」

だから。

許されることではないと知りつつも行動した。するしかなかった。だって…

大野「高崎さんに対しての負い目はあるけど、…やっぱりAのこと」

“好きだから”

A「……っ」

大野「高崎さんの代わりでいい。Aが彼を慕って隣で笑っていたように、俺も同じような存在になれたらいい。彼が命をかけて守り抜いた大切な人と事件に隠した秘密を俺が守るのが彼の本望だろう。…でもそんなのただのいい理由だった」

目の前の景色が崩れてゆく。

瞬きをすると、微笑んだ彼がそこにいた。

大野「バカだよね。…これが俺に向けられたものならいいのにって思う自分がいた。でも俺も高崎さんに惚れてるから。…それならずっと見守っていこうと思った。でも」

A「さ…さと…」

大野「好きだよ、A」