《番外編》バレンタインデー・キス～恋愛シンドローム (ページ21)

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【07】ページ21

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落としたチョコレートも

落とさなかったチョコレートもその場で食べてくれる

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それが翔くんの優しさなんだって

ちゃんと分かるから

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すんって出かけた鼻水をすすると

翔くんがくしゃくしゃって、私の頭を撫でた

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うつむいたまま、顔を上げることも出来ず

翔くんの胸に寄り添う

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麻衣「……大好き。」

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翔くんの首に巻かれたマフラーの端をぎゅっと掴んで

小さく呟いた

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本当は、チョコを渡すタイミングで言おうと思っていたのに

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他の子の気持ちをへーきで受け取っちゃうこと

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それに怒ってても気づいてくれないこと

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そして

作ったチョコレートを落としちゃったこと

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本当は『大好き』が一番大きいのに

色んな感情がぐちゃぐちゃになって、言いそびれてたから

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翔「麻衣……あのさ……？」

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何かを言いかけた翔くんに

少しだけ顔を上げると

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ふわりと乾いた唇が

私の唇に

触れた

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翔「泣くなよ……こんなことぐらいで……。」

麻衣「……だって！翔くんが全部……っ！」

翔「あっ！UFO！！」

麻衣「え？」

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頭上に差された指につられて

空に顔を向ける

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翔「麻衣……バカなの？今どきこんなのに引っかかるなんて。」

麻衣「……へ？」

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そう言って

緩めた唇で

また、キスをした

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