《番外編》バレンタインデー・キス～恋愛シンドローム (ページ17)

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【03】ページ17

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翔くんが歩くと、紙袋のチョコレートたちもカサカサと音を立てて

口もきかないで二人して肩を並べて歩いた

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私は

チョコレートだってまだ渡してないのに

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このまま嫌な気持ちでバイバイってしちゃうのかなって思うと

だんだん悲しくなってきて

目の前にぼんやりと涙がにじんだ

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翔「あ～～～～っ！！もうっ！！」

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突然叫んだ翔くんに、思わず足を止めたら

怒った顔したまま、私を見つめてる

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麻衣「やだっ！なにすんのっ！！」

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コートに入れた手を、強引に引っ張るから

振りほどくように、逃げようとした

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だけど

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その手は私の手をぎゅって握って

半分無理やり、翔くんのポケットの中に突っ込んだ

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翔「俺が手つないでなきゃ、嫌なのっ！！」

麻衣「……え？」

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怒ってた横顔が

一瞬で照れくさそうな顔になって

暗い夜道でも

翔くんの顔がほんの少し赤くなったのが分かった

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ポケットの中でぎゅうぅって手を繋ぐ

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冷たかった指先は

翔くんのその手の温もりで

ちょっとずつ温まっていく

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