【12】 ページ12
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一瞬だけポカンとした後
ぱあっっと花が咲くような笑顔に変わった
雅紀「ちょーーー嬉しいっ！チョコ、無いって言われたからさ？ぜんっぜん期待してなかったけどっ！」
A「……うん。上手く出来なかったから、ずっとどうしようか迷ってた。」
雅紀「なんだ……ちゃんと用意してくれてたんだ？」
A「うん。」
雅紀の指先が私の前髪に触れて
照れくさそうに、そのまま髪の毛をくしゃって掻き上げた
雅紀「開けてい？」
A「うん……でも、ほんっと、上手に出来なかったからっ！」
雅紀「だいじょーぶ、だいじょーぶっ！！」
くしゃくしゃの笑顔で
ふわふわのリボンを解いて
雅紀はチョコレートの入った箱を開けた
雅紀「ありゃ〜〜〜！？なにこれ？鹿のう○こ！？」
A「ち、ちがうもんっ！ちゃんとチョコレートなんだから！！」
ぷんって怒ったふりすると
それを見て楽しそうにうひゃうひゃって笑って
雅紀「うそうそっ！A、頑張って作ってくれてありがと！！」
そう言って
大好きなその笑顔を私に向けた
ほらっ！
その顔が見たくて頑張ったんだからっ！！
雅紀「ん〜〜〜味はマズくないよ？Aの味がするっ！！」
買ったみたいにキレイには出来なかったけど
恥ずかしくても
これが今の私だから
全然美味しそうじゃなくても
不格好でも
ちゃんと雅紀は「んまいっ！」って
食べてくれるんだ
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雅紀「Aも食べる？」
A「……うん。実は……味見してないんだぁ……。」
雅紀「えっ！！！？そんなの俺にくれたのっ！！？」
A「うん……。」
雅紀「じゃあ、一緒にたべよっか？」
まぁるいチョコレートを唇に挟んだ雅紀が
それを私に差し出す
ちょっと恥ずかしいけど
チョコレートをくわえた唇に
私の唇を重ねた
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作者名：四葉（よつば）
作成日時：2013年2月4日 22時
