計 算 尽 く [赤葦京治]

計画４ ページ5

＊

｢はぁ……｣


可愛すぎかなあの子。赤葦は常に綺麗な笑顔か無表情しか浮かべていない、

今日隣になった少女、白島Aの隠しきれていなかった上がる口角を思い出す。


｢前はペンで小さな色付けて場所と色で数字見てたけど、今度は確実に二重底か……｣


計算高い彼女らしい戦法である。

赤葦は無表情のまま自室の机に向かって課題にシャーペンを走らせながら思考する。


｢昨日も“やっぱ”同じ電車来てくれたし。部活予定表に俺が鍵当番って書いて正解だったな。あと本の返却期限も見せといて良かった。

昼にバレー部員ほとんど＋俺の親しい男友達全員体育館裏いってたのはほんとに笑ったなあ…

やり方雑になってきてるの可愛い……｣


折れたシャー芯を拾って捨てながらも、その思考は止まることを知らない。赤葦はあれこれ最近のハイライトを引っ張り出す。


｢前の保健室にまで行って体育見に来てくれたのは嬉しい計算外だったな……

そろそろ一緒に出かけたかったし明日は白島の前で映画の時間でも調べようか｣


無表情ながらもどこか楽しそうな赤葦。ようやくその口角が上がる。


｢何より、俺にバレてないと思ってるのが本当にたまらないんだよね……｣



___きっかけヒントあげるから、またお得意の計算で俺を動かしてみてよ、白島。




数日後、白島から来たメールを見て赤葦は口角を上げ返信する。



その返信を見て、白島もまた口角を上げた。




｢計算通りだなぁ……｣





｢計算通り……｣




策略だらけの恋愛は、明日もまた。




計算尽く_________end。。

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