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俺はその夜、マルを甘やかした。


マルは溜め込んだ痛みや苦しみをようやく吐き出せたから

純粋な子どものように眠っている。



俺が、マルを愛する。


もう誰にも、傷つけさせやしない。








マルとはその後、


少しずつ話す時間が増えて


笑顔でいる時間が増えて


マルの支えになれていることが嬉しかった。



数ヶ月後、マルから告白してくれて


晴れて恋人になれた。



こんなことならもっと早くから


愛情を隠さず伝えていればよかった。




そしたら傷つけられずに済んだのかもしれない。



その罪悪感を埋めるためにも



俺はマルを甘やかした。




初めて一つになったとき


マルは涙を流した。



こんなに大切に、優しくされたことなんてないって



幸せそうにキスを返してくれた。




あれからすぐ、ヨコとヤスは別れた。




ヤスの腫れた目と不機嫌さを見ると



マルって本当に優しくて我慢強いやなって実感できた。



ヨコが、再び愛おしそうな目でマルを見つめるようになったから



奪われたくなくて、ヨコを呼び出す。



紫「マルは俺の恋人や。


マルを傷つけたお前に返すつもりはない。



奪わんとってくれ。」



疲れ果てた様子で、ヨコが答える。



黒「分かってる。


今更、戻ってこいなんて言えるわけないやん。



俺は、マルのことを何にも分かってなかったんやから。」



紫「そういう事や。


俺が、マルを笑顔にする。



何もせんといてくれ。」



楽屋に戻ろうと背を向ける。




黒「なぁ、ヒナ。」



紫「なんや?」



黒「マルを、幸せにしてくれ。



そして、マルが幸せになるように祈るくらいはさせてくれ。


頼む。」




分かってる。



上手くいかなかったけど




ヨコも、マルを愛してた。





紫「任せろ。



よろしく頼むで。





…お前も幸せになれよ、ヨコ。



お前は俺にとってもマルにとっても



大切なやつには変わりあれへんから。




なんかあったら、なんでも頼れや。」



予想外の言葉だったのか、ヨコが振り向く。



その目には涙が溜まっていた。



ヨコも、自分を責め続けていたんや。




なんでヤスは分かってあげへんかったんやろ。



なんて、ループが終わらへんな。



俺は何も言わず、ヨコを抱きしめた。



少しの抵抗があったがすぐに弱まり、啜り泣きを始めた。




月の明かりが俺らを照らして



黒を浄化してくれているような気がした。

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丸山田(プロフ) - さくらさん» さくらさん、ありがとうございます!私は山田推しですが、雛マルもついつい書いてしまいます…笑これからも読んでくださるとうれしいです(^ ^) (2016年5月21日 15時) (レス) id: 19824c8246 (このIDを非表示/違反報告)
丸山田(プロフ) - 優子さん» 優子さん、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします(^^) (2016年5月21日 15時) (レス) id: 19824c8246 (このIDを非表示/違反報告)
丸山田(プロフ) - ☆マル☆さん» マルさん!ありがとうございます…!只今実習中で更新が怠ってしまっていますが、もどって来たいと思いますので是非読んでください(^ ^) (2016年5月21日 15時) (レス) id: 19824c8246 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 最初から全部読みました。私は丸ちゃんが大好き!でも他のメンバーさんもそれぞれが素敵で、大好きなグループです♪ 残酷な祈り【黒×橙】 、愛と愛のせめぎ合い【紫×橙】 は好きな作品です!どのコンビも好きですが、紫×橙コンビは私の中でイチバン好き!なんです。 (2016年5月16日 10時) (レス) id: 9362b4fa96 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。全部良かったです。体調には気をつけて下さいね。 (2016年3月20日 13時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸山田 | 作成日時:2016年3月12日 23時

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