きみとぼくと【∞／短編集】6

先の見えない、音【緑×橙青黄】◎ ページ26

pearlさん リクエスト

○一般人設定


キッチンに野菜を刻む音が鳴り響く。


グツグツいう鍋の音も。






それから、鎖がジャラジャラなる音も。



俺はここ1年、外の景色を見ていない。




玄関のドアに鍵が差し込まれる音。


誰か帰ってきた。



黄「ただいま〜」


橙「忠義〜？キッチンか？」


緑「おかえりなさい、2人とも。」



2人は手を洗うとすぐに俺のところに来る。



黄「おい、俺の嫌いな野菜はいってるやんけ！」


刻んで水につけてある具を見て、亮くんが途端に不機嫌になる。



俺の髪を掴んでしゃがませると、顔に秘部を押し付けてくる。


黄「機嫌が直るまでしゃぶれや。」



黙って彼のチャックに手をかけ、奥まで口に含む。


いきなり喉の奥を突かれて苦しい。




橙「そんなに辛くしたらあきまへんで？」



そう言いながらも隆平さんは止めようとはしない。


縄を大切そうに両手に持って、傷んでいるところがないか確認していた。




橙「章ちゃんはいつ帰ってくるん？」



黄「はぁ、多分そろそろやないの。


寄り道はいつものところやろ？


…全部飲めよ。」



喉奥にそのまま流し込まれる。


喉にへばりつくような気持ち悪さも、この匂いも、もう慣れた。



橙「忠義、こっちおいで？」


優しい声に引かれるように隆平さんのいるソファに近づく。



きっと、夜の下準備として縛られるのだろう。



俺たちは大学時代に出会った同級生。


卒業後、俺はなぜか就職させてもらえずここにいる。



亮くんは暴力を振るわれ



隆平さんには縛られ



章大くんには精神的に追い詰められる。





いつから俺は、この状況を受け入れて



無条件にヨロコぶようになったのだろうか。




そして




次に青い空を見られるのはいつだろう。





それまで、俺は生きていられるのかな。







また、玄関の方から音が聞こえて







また、鎖を引きずる音が部屋に響いた。

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