きみとぼくと【∞／短編集】6

欲望に任せて【赤×青】◎ ページ19

赤「ああ、もう！」



俺は今イライラしている。


それはもう、とてつもなく。



元々疲れていた上に


恋人に営みを拒否されているからだ。



青「渋やんは禁欲してた方がええ声でるねん。


せやからソロコン中はせぇへんから我慢して？」



そんなん知るか。



あいつの言ったとおり、ソロコン中は触れることさえできひんで


俺にとってはかなり辛かった。



女を呼んでしまおうかと思うほどには追い詰められた。



久しぶりにうちに帰って

イライラを素直に表しながら


お風呂はいって無造作に体を洗う。



ちょうど上がったタイミングでインターホンがなる。



赤「っち、こんな時間になんやねん。


間違いやったら許さへんからな…」


ブツブツ言いながらも確認すると



メガネと帽子越しにこちらに向かって手を振る


ヤスがいた。



今まさにイライラしていた相手。



…でも、俺はヤスに甘い。



あとで文句を言ってやればいいか、と



ロックを解除する。



青「お邪魔しまーす」


控えめに挨拶して入ってきたヤスの顔は


俺を見て満面の笑みになった。



青「すばる！お疲れ様！」


赤「章大、こっちこい。」



抱きしめてもらえると思ったのか、


ヤスは手を広げて小走りで近づいていく。



俺はそのままヤスを迎え入れると



間髪入れずに唇を塞いだ。


驚いて開いた隙間から舌を挿し入れて



ぐっちゃぐちゃに搔きまわした。



章大の鼻をつまんでキスを続ける。



苦しい合図で俺の体を離そうとする章大をさらに抱きこんで


しばらくキスを続けた。



ようやく唇を離すと


フラフラと座り込んでしまった。



青「はぁっ、はぁっ、


すばる、苦しかったぁ…」



赤「お前こそ今何時やと思ってんねん。


俺に禁欲までさせて…」



青「その分シよって言いに来たんやんかぁ…」



大きく息をしながら


俺を誘う濡れた瞳が


俺の欲を掻き乱す。




お互いのモノは


先ほどのキスだけで張り裂けそうなほどに滾っている。



俺は章大に無理やり立たせると寝室まで運んで


ベッドの上に放り投げた。



いつもは優しく脱がして触れるところから始まるけど


今回はそんな余裕、これっぽっちもない。




赤「全部脱げ。めんどくさい。」



自分も身に着けているものを全て剥ぎ落とす。



章大は既に脱ぎ終わって、


ベッドに座り込む。


硬く立ち上がるモノ。


濡れた瞳、唇。


俺の名を呼ぶ掠れた声。



我慢なんて、効かない。

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