きみとぼくと【∞／短編集】6

赤面の裏【橙×青】 ページ12

俺はいつも、彼といると不思議な気持ちになる。



青「なぁ！マル！あれ！あれ見たい！！」



橙「あれ？章ちゃんああいうの好きやったっけ？」



青「そうやねん、２年前くらいからハマりだして…

見てええ？」



橙「おう、ええよ〜」




仕事用の《マルちゃん》じゃなくても


カメラの前で自然体でいられる。




青「ん、あれ、ドア開かへんっ、」



橙「え？うせやん…



…こっちから開けんちゃう？ほら」



青「あ、ホンマや！」



橙「あかんて、しっかりせいや〜！笑」




ボケ倒しているはずの俺が、何故かしっかりしてしまう。




橙「俺、これちょっと苦手なんですけど…」



青「あ、気にせんで入れてくださいねぇ！」



橙「ええっ、そんなぁ…」



青「頑張りや〜？笑」



なんだかんだ素直に甘えられない俺が



自然と甘えたような声を出してしまう。




ロケが終わって、スタッフさんから感想を聞かれている章ちゃん。



今日、ふと思った。




《山田》として活動しなくなった今でも、


章ちゃんはずっと俺のことを相方と言ってくれる。




他のメンバーともずっと一緒にいるのに、



章ちゃんは俺との時にしか



「長いこと一緒におりますからね」



と言っているのを聞いたことがない。




青「どうしたんマル？」




やべ、早速見抜かれた。



仕方がないから素直に話してみる。




青「ああ、なるほどな？嫌やった？」



橙「いや！嫌とか全然そういうことやないんやけど、」


アタフタしたら笑われた。



青「はは、嬉しいならそう言えばええのに。笑



そりゃ、他のメンバーとも長いこと一緒やけどさ？


丸が一番同じ時間を過ごしてきたやんか。




オーディションも一緒で


ずっと大阪に通って、楽器もやって


デビューしても燻ったりして。




そういう酸いも甘いも全部一緒なのは丸やからさ。



丸といるとストレスフリーで、めっちゃ楽しい！



もちろん丸もやろ？」




なんでそんな自信たっぷりに肯定できんの？



いや、その通りなんやけども……




青「丸、顔赤なってるで？笑」




俺も、章ちゃんの答え聞いたから



今日の不思議の全部に納得いったんや、なんて



そんなこと、口が裂けても言われへんけども




橙「章ちゃん、ありがとうな。」



青「おん、こちらこそ。」



感謝だけは、いつもしてるよ、章ちゃん。






でもお願いやから





顔赤なってるのは突っ込まんといて…笑

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