きみとぼくと【∞／短編集】6

嚙み合わぬが仏【赤×緑】 ページ11

赤「おーくらーおーくらー」


緑「分かった、わかったからすばるくん！」



楽屋の雰囲気が悪い！とオカンムリなすばるくんがダダをこねて、


座っている俺の身体によじ登ってくる。



ヤスから話を聞いている分、気まずくて


ヤスが亮ちゃんに絡んでいる間にすばるくんを抱き抱えて楽屋から逃げる。



赤「ちょ、大倉！怖いって！」


しがみついてくるちっちゃなお猿さん。



一応、俺の好きな人。



俺はスピードを緩めると、


自販機の側のベンチにすばるくんを下ろした。



赤「いきなり走るからビビったわ！」


緑「ごめん、逃げたかってんもん！」


赤「ほんまにヘタレやなぁ…」


すばるくんが呆れて見てる。


そうですよ。俺は告白する事もできないヘタレですぅ。



緑「すいませんねぇ」


心ない謝罪を返すと、またすばるくんがムスッとしだした。


また俺のお腹に馬乗りになる。


今度は何言うんやろう？と見守っていると



チュ、と柔らかい感触がする。



え、チュ？



キ、キスされとる…？！



こっちの動揺なんて知ったこっちゃない！みたいに



キスは激しく、深くなっていく。



最初はされるがままだったけど


なんせ、男やし、好きな人やし？


応えて形勢逆転。



すばるくんが息苦しくなっても頭を押さえてさらに深く入り込んで



どうせならすばるくんの恋心を疼かせるように


深く俺を知らしめる。




赤「ぷはっ！はぁ、はぁ、


死んでまうわアホォ！」



緑「すばるくんごめーん」



謝る気0。むしろもっとしたい。



赤「ったく、ほんまに大倉はもう…」



ブツブツ言うすばるくんの耳元を狙う。



緑「今日、うち来て？


続きさせてよ。」


すばるくんからふっかけてきた癖に、


目を真ん丸くして驚いてる。



悪いけど、すばるくんから近づいてきたんやからな？


チャンスにして何が悪い！



ヘタレ言うなぁ！



すばるくんがニヤァって笑う。



赤「すごいの期待してんで。」



そういうとルンルンで楽屋に戻っていく。



あの…すごいのって


体の関係だけなんて、俺は嫌やからな！




…いいよすばるくん、


ちゃんと伝えるから。


気持ち伝えて、すばるくんを甘々に溶かすんやから。



ヘンタイを期待するのも今のうちやで？




変な意気込みをしながら、自分も戻ろうと立ち上がった。

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