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「皆様おまたせいたしました!!ただ今より、カップルコンテスト決勝戦を開催いたします!!」
元気よく場を盛り上げるような司会進行役のMCのアナウンスに観客席からも歓声があがる。
それだけで私の心はドクドクと激しく脈を打っていた。
予選のときのエントリーナンバーが早い順にペアが呼ばれていく。最後のトリは私達だ。
「エントリーナンバー15!百瀬智実、矢島日葵ペア!!」
歓声や拍手がドッと沸き起こり、ますますステージに上がることを体が拒否する。そんな私の手を握っているさとみはグイグイと私を引っ張り出した。
観客席の人間は芋・・・観客席の人間は芋・・・
頭で呪文を唱えても何も変わらないのが悲しい。
「日葵ちゃーん!!」
心の中で頭を抱えて、さとみの一歩後ろに立っていると観客席の方から名前を呼ばれた。
恥ずかしさもあったが誰だろうと目線だけを動かす。
そこには知らない人が私に手を振っていた。
制服を着ていないからここの生徒ではなさそう・・・
こんな知り合いいたかな?
「オムライス美味しかったよー!!」
そこで私は気づいた。
もしかして、お客さんか。
あの土に埋めて二度と掘り返したくない黒歴史並みの衣装を着せられたときのお客さん。
少しだけ口元が引きつった。
でも、応援してくれてる感じだよね・・・?
私はさとみと繫いでいない空いたほうの手で小さく振り返した。
するとその手を握り下ろされる。
「お前はそういうのしなくて良いから」
さとみに小さく睨まれて、ちょっとだけ寂しい。
別にさ、嫉妬してるのはわかるし嬉しいよ。
でも、少し手を振るくらい良いじゃん。
票への貢献。私も手伝いたいよ。
「百瀬・矢島ペア、さっそくコソコソいちゃつかないでくださいよ〜」
MCにいじられて顔が熱くなる。
イチャついてたわけじゃないんだけど・・・
思わずまた一歩下がって隠れる私の代わりにさとみが「イチャついてませーん」とふざけた様子で抗議すると会場が湧き上がる。
さとみはちゃんと切り替えできて偉いな・・・
まだこの場に慣れない私は少しだけ顔を俯かせた。
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まるたちばな(プロフ) - アカリさん» バレバレですね笑 (2021年6月10日 1時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - ふさん» 頭はいいので、わざと外してます笑 (2021年6月10日 1時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - あ、さとみくん絶対狙ってやってるな…? (2021年6月9日 16時) (レス) id: a59834cb62 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - さとみくん逆に低いとこいくなんてすげぇww (2021年6月8日 23時) (レス) id: 31f90d92ba (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - さのさん» チリソースと悩みました笑 (2021年6月7日 0時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/
作成日時:2021年5月29日 7時